事業拡大で積極投資も、半導体など部品供給滞り納品に支障
帝国データバンクが8月1日明らかにしたところによると、製造・物流の現場向け自動化機器やWMS(倉庫管理システム)などを手掛けるオフィスエフエイ・コム(栃木県小山市)が7月29日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請、同日付で保全命令を受けた。
帝国データによれば、負債総額は申請時点で約60億円。
オフィスエフエイ・コムは1997年4月創業、99年10月に法人改組した。産業機械装置の製造を手掛け、自動車メーカーや電機メーカー、食品メーカー、総合商社などを対象に物流、IoT関連の製造現場における自動化設備に関わるソフトウェア開発、機械装置の設計製作などを手掛けてきた。
特に自動制御装置とソフトウェア開発の両事業に参入する形態としては先駆者の位置にあり、ハード、ソフト両面で対応可能な技術力が顧客のニーズに合致し、業績は急速に伸展。2020年12月期には売上高が約76億9000万円に上っていた。
急速な事業拡大に伴い、全国各地に工場設置を進め、「スマートファクトリーラボMINAMISOMA」を開設するなど、積極的に先行投資を展開。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大や世界的な需要増の影響で半導体など部品供給が滞り、納品に支障をきたし、資金繰りが急速に悪化。自力での経営再建は不可能と判断した。
(藤原秀行)