住友商事、神奈川・大和で11.2万㎡の消費地近接型物流施設が竣工

住友商事、神奈川・大和で11.2万㎡の消費地近接型物流施設が竣工

日本初、米製スマートガラス採用し建物に差し込む光量を自動で最適化

住友商事は8月31日、自社で開発している消費地近接型物流施設「SOSiLA(ソシラ)」シリーズとしては最大となる「SOSiLA中央林間」(神奈川県大和市)が同日竣工したと発表した。


「SOSiLA中央林間」の外観

地上5階建て、延床面積は約11万2000平方メートルのマルチテナント型で、需要が伸びている危険物倉庫を併設。東名高速道路の横浜町田ICから約5キロメートル、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の圏央厚木ICから約6キロメートルに立地し、都心部および広域にもアクセス可能。神奈川県内陸部の人口密集エリアに位置し、ラストワンマイル配送にも対応できる。

ラウンジには、2007年に米シリコンバレーで誕生したテック企業のView(ビュー)が開発するスマートガラス「View Smart Windows(ビュースマートウィンドウズ)」を採用。屋上のセンサーとAIを利用し、日射量や屋外の状況に応じて窓の色を自動調整することで差し込む光量を最適化する。空調や照明によるエネルギー消費を最大20パーセント削減する効果が期待できるという。ブラインドを開閉する人的作業負担も軽減する。

スマートガラスの導入は日本の物流施設で初めて。他にもリサイクル建材の使用、太陽光パネルやポケットパークの設置など、社会価値・環境価値に資する工夫を凝らしている。


ラウンジの外に面する窓に「View Smart Windows」を導入


日射量に応じて窓の色を自動調整し光量を最適化

また、住友商事が開発した物流現場効率化ソフト「Smile Board Connect(スマイルボードコネクト)」と提携。入居テナントは一定期間ソフトを無料で利用できる。物流現場で働く従業員の個人単位のスキルデータを基に、各工程の進捗をリアルタイムで可視化するダッシュボード機能や、スキルデータを活用して作業計画を作成する機能などを提供、物流現場を効率化する。

将来はオプション機能として、AIと量子コンピューターを使い最適な人員配置を提案、労働環境の改善に寄与することを目指す。


「Smile Board Connect」の利用イメージ

SOSiLAシリーズは「SOSiLA中央林間」を含めて計15棟の物流施設が竣工。総延床面積は約105万平方メートル、資産規模は約2700億円に達している。22年には首都圏で「(仮称)SOSiLA柏」(千葉県柏市)、「(仮称)SOSiLA厚木飯山」(神奈川県厚木市)、関西圏で三井住友ファイナンス&リースの子会社、SMFLみらいパートナーズとの初の共同開発施設「NEWNO・SOSiLA高槻」(大阪府高槻市)の工事が本格化。それぞれ23年の竣工を予定している。

(藤原秀行)

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