帝国データ調査、製造停止長期化で「市場退出発生の可能性も」と警鐘
帝国データバンクは9月5日、日野自動車でトラック・バス用エンジンの排出ガスや燃費の性能に関する認証の不正が相次ぎ発覚した件に関し、各種部品などのサプライヤーへの影響に関する調査結果を公表した。
日野グループ計6社は取引額が判明した約5000社と年間最大約9796億円、月平均約816億円の取引が同グループの商流圏内で発生していると推計。日野の生産が全面的に停止した場合、取引企業や周辺産業全体で全体約1兆円の取引が消失する恐れがあるとの見方を示した。
TDBは製造停止が長期化すれば「経営を支えきれなくなったサプライヤーの市場退出などが今後発生する可能性がある」と警鐘を鳴らしている。
取引のある企業の売上高における日野グループへの依存度を見ると、取引額が売上高全体の5%に満たない企業が全体の78%に達した一方、1割を超える企業の割合も全体の11%に上っている。
地域別では、東京都の企業が最も多くて2505億円。このうち東京23区外の「多摩地区」が684億円を占めた。日野工場が東京都日野市に存在していることが大きいとみられる。
(藤原秀行)