楽天の通販配送事業めぐり、請け負った事業者が5億6800万円の賠償求め提訴

楽天の通販配送事業めぐり、請け負った事業者が5億6800万円の賠償求め提訴

契約で定めた予告期間経ず解除通告などと主張

楽天グループが展開しているインターネット通販の商品配送事業に関し、契約で明示した予告期間を経ず委託契約を解除されたために売り上げを失ったなどとして、同事業を請け負っていた埼玉県川口市の運送会社「Trump(トランプ)」が9月5日、楽天などを相手取り、総額約5億6800万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴したことが分かった。

Trumpが自社のホームページで公表した。楽天は同日夜現在、提訴について公式にはコメントしていない。

楽天は2016年、自社のネット通販の出店事業者を対象に、独自に構築した配送ネットワークを生かして購入者への商品配送を担うサービス「楽天エクスプレス」を開始。出店を促しネット通販の事業拡大につなげたい考えだったが、利用が伸び悩んだことなどから、21年5月に終了。日本郵便と立ち上げた合弁会社「JP楽天ロジスティクス」が宅配を担う方向に転換した。

Trumpが公開した訴状などによれば、Trumpは2018年11月、楽天と契約し、楽天エクスプレスに参加。千葉と埼玉、栃木、群馬、兵庫の計7カ所に物流拠点を設け、楽天エクスプレスの配送業務を手掛けていた。楽天との契約では、契約を解除する際は3カ月前までに予告することを定め、予告がなければ契約を自動的に6カ月延長すると明記していた。

このうち、20年5月ごろ、千葉と埼玉の拠点2カ所について、楽天から配送を自社化することを理由に、同年8月末でTrumpへの業務委託を終了する旨、通告があったが、実際には別の運送会社に業務を委託。その際、当時の楽天エクスプレスの責任者らがTrumpから当該の運送会社に運行管理者やドライバーを引き抜いた上で庫内や車両の備品を別の運送会社へ無償貸与することなどを要求、実際に備品を引き上げるなどしたため、営業所を奪取されたと主張している。

Trumpは当該の運送会社は、実際にはこの責任者が実質的に支配していたことが疑われると指摘している。

また、21年5月中旬、楽天から、楽天エクスプレスを5月末で終了し、契約も同じく5月末で終わると一方的に通告してきたため、Trumpの残る5拠点についても閉鎖に追い込まれたと強調。楽天側の契約解除の意思表示は無効などと反発している。

(藤原秀行)

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