フランスやスペインの企業と共同で事業調査
双日は10月3日、フランスで石油製品関連基地を運営するRubis Terminal Infra(ルビス・ターミナル・インフラ)、スペインでインフラ投資を手掛けるReganosa Asset Investment (レガノサ・アセット・インベストメント)と、欧州でのグリーン水素のサプライチェーン構築事業を共同で調査するためのMOU(覚書)を締結したと発表した。
スペインは太陽光発電、風力発電のポテンシャルが高く、総発電量に占める再生可能エネルギー発電量の割合が30%を超え、製造時にCO2を出さない「グリーン水素」の生産・供給地として期待されている。
その中でも、レガノサがLNG(液化天然ガス)受け入れ基地を運営しているスペイン北西部ガリシア州は、欧州北西部の主要港(アムステルダムやロッテルダム、アントワープなど)へのアクセスで地理的優位性を有しているため、双日はグリーン水素製造・輸出拠点の最適地の1つと捉えている。
レガノサはガリシア州でのグリーン水素製造事業を推進中で、2025年に生産開始を予定している第1フェーズでは同州周辺の地元顧客にグリーン水素を供給することを計画中。MOUを契機として、水素・アンモニアの需要増が想定される欧州北西部の主要港へ輸出することを目指し、第2フェーズとして当該事業の拡張可能性や最適な運搬方法について3社で調査、検証を進める。
3社はそれぞれの事業経験、産業顧客とのネットワーク、技術的知見を結集し、脱炭素化社会実現に向けたグリーン水素のサプライチェーン構築を目指す。
Reganosa Asset Investmentの親会社Reganosa Holdco S.A.は、双日が15%出資しているスペインLNG受け入れ基地事業会社Regasificadora Del Noroeste SAの85%株主。
ルビスターミナルの概要
会社名 | Rubis Terminal Infra SAS |
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設立 | 1877年 |
本社所在地 | 33 avenue de Wagram, 75017 Paris, France |
代表者 | Bruno Hayem |
事業内容 |
欧州における石油製品、液体燃料、化学品、農作物の貯蔵事業。 |
レガノサの概要
会社名 | Reganosa Asset Investment S.L. |
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設立 | 2018年 |
本社所在地 | Lugar Promontoiro, S/N, Mugardos, 15620 , La Coruña, Spain |
代表者 | Collantes Perez Arda, Carlos |
事業内容 | 欧州(主にスペイン)におけるレガノサグループの事業全体の投資管理。 |
(藤原秀行)