「緑十字展2022」にプロトタイプを参考出展
安全靴や作業着などを手掛けるミドリ安全は10月13日、フォークリフト乗車時の墜落・転落防止システム「フォークリフト・ハーネス・リマインダー」を、10月19日から福岡市のマリンメッセ福岡で開かれる「緑十字展2022」に参考出展すると発表した。
開発中の「フォークリフト・ハーネス・リマインダー」イメージ
労働災害における死傷災害事故は「墜落・転落」が全産業で「転倒」に次いで2番目に多く、陸上貨物運送事業は全体の26.9%と最多。特に物流倉庫などでピッキングフォークリフトを使ったピッキング作業などの際、作業者がスピードや効率を優先するあまり、墜落制止用器具を正しく使用せずに作業をしているケースも少なくないため、墜落・転落リスクとして以前より懸念されていた。
そうした状況を踏まえ、同社は現場での墜落制止用器具の付け忘れを防ぐための独自システムの開発に着手。ピッキングフォークリフトに乗車すると、作業者やその周りの作業者に墜落制止用器具の使用を促すシステムや、ピッキングフォークリフトへの取り付け位置、取り付け方法など様々な観点から検討を進めてきた。
さらに、使用する墜落制止用器具はダミー人形による落下試験を行い、より安全性の高い墜落制止用器具、具体的には「フルハーネス」に「ロック機能付き常時巻取り式ランヤード」の組み合わせであることも確認し、プロトタイプの製品開発に成功した。
墜落・転落事故は全産業で毎年2万件以上発生。陸上貨物運送事業の中では26.9%と最多の発生件数
フォークリフト乗⾞時にハーネス装着を促す警告アナウンスが⾃動作動
フルハーネス(例)
常時巻取り式ランヤード(例)
様々な安全実験の結果、フルハーネスとロック機能付き常時巻取り式ランヤードの組み合わせを推奨。落下阻止に加え、フォークリフト・ハーネス・リマインダーが脱落しないよう、取り付け位置や取り付け強度、墜落制止用器具のランヤードなどの取り付け位置を検証していく予定。
(藤原秀行)※写真などはいずれもミドリ安全提供