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日立物流買収、KKR含め5社が入札に参加

日立物流買収、KKR含め5社が入札に参加

21年3月に非公開化の検討開始

日立物流は10月27日、米投資ファンドKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)の関係会社が日立物流買収へTOB(株式公開買い付け)を10月28日に始めるのに合わせ、TOBに至った経緯などをあらためて公表した。

日立物流の説明によれば、日立製作所とは2021年3月上旬、日立物流株式を第三者に譲渡、非公開化する検討を開始。海外展開加速などの成長戦略を進められることを重視して株式譲渡先の検討を進め、同年の4月下旬から5月上旬にかけて潜在的な売却先5社のうち、KKRを含めた投資ファンド3社から、まず買い取り価格を明示しない初期的な提案を受け取った。

財務アドバイザーと第三者評価機関に選んだUBS証券のアドバイスも参考にし、入札を実施することを決定。その際、上場維持を前提として株式の一部を譲渡するスキームと、非上場化を前提として全株式を譲渡するスキームを比較検討し、5月中旬にいったんは上場維持のスキームを採用することにし、第1次入札の準備を進めた。

しかし、8月中旬、日立製作所から非上場化スキームも含めて選択肢を検討したい意向が示されたため、あらためて第1次入札への参加を募集。その際、日立物流の全株式を取得できる事業会社も入札募集の対象に含めるなど条件を一部修正した。

2022年1月初旬には、より具体的な成長の提案を求める第2次入札のプロセスを開始。KKRを含む投資ファンド4社と事業会社1社の計5社が応募した。最終提案書を検討した結果、KKRが5社の中で株式価値評価額と公開買い付け価格が最も高かったことや、成長・財務戦略の提案内容が最も優れていたことなどを評価。22年3月上旬、KKRとの協議を開始した。

第2次入札でKKRは非公開化スキームを前提として、公開買い付け価格を1株当たり8355円と算出。さらに、日立製作所が物流領域のDX促進ソリューションを日立物流と引き続き共同開発するなど、協力関係を維持する上ではKKRの買収後も10%株式を保有し続けることが望ましいと提案した。

3月28日には日立製作所と日立物流が、KKRに対し、公開買い付け価格を引き上げるよう要請。KKRは8464円に修正する方針を示した。4月14日には再び、日立製作所と日立物流が公開買い付け価格の見直しを求め、KKRは4月18日に8913円へ修正。日立製作所と日立物流は同日、KKRを最終候補者として選定する旨、連絡した。4月28日には8913円で合意に至った。

KKRは買収後、日立物流の役職員とともに、今まで同社が築き上げてきた確固たる事業基盤を生かしつつ、KKRが有するグローバルの人的・資本的リソース、ノウハウ、ネットワークを活用し、オーガニック(既存の経営資源を活用した手法)・インオーガニック(他社との提携・他社の買収などによる手法)双方で成長戦略を推進し、一段の事業成長と企業価値向上を目指す方針を表明。

併せて、シナジー効果が期待できる事業会社を共同出資パートナーとして招聘することについて、継続的に検討・協議するとともに、本取引を通じて事業成長と企業価値の向上が実現した後は、日立物流の株式を再上場させることを基本方針にする考えを示している。

なお、日立物流は入札に参加した投資ファンドと事業会社の詳細について、KKR以外は開示していない。関係筋によれば、米国のブラックストーンやベインキャピタルなどが名乗りを挙げていたとみられる。

(藤原秀行)

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