ブルーイノベーション、ドローン使った送電線点検ソリューションの提供開始へ

ブルーイノベーション、ドローン使った送電線点検ソリューションの提供開始へ

事前の飛行ルート設定不要、点検作業の効率化・コスト提言や安全性向上実現

ブルーイノベーションは11月4日、たわみや揺れのある送電線に沿ってドローンが自動追従飛行し、点検に必要な各種データを撮影・取得することで点検業務を自動化・効率化・安全化するソリューション「BEPライン」を開発したと発表した。

国内外の電力会社や設備点検・メンテナンス会社など向けに、11月7日にサービス提供を開始する。

「BEPライン」は、ドローン機体に搭載する独自の送電線追従モジュールと操作・データ管理アプリで構成。自社で点検作業が行える「サブスクリプション」と、点検作業を任せられる「委託点検」の2つのサービスプランを準備する。


「BEPライン」センサーモジュールを搭載したドローン(左)専用アプリケーション画面(右)

「BEPライン」は、ブルーイノベーション独自のデバイス統合プラットフォーム「Blue Earth Platform」をベースに、東京電力ホールディングス、テプコシステムズと共同開発した「送電線点検用ドローン自動飛行システム」を採用している。

ドローンに搭載したモジュール内のセンサーが、送電線の自動検知とドローン機体、カメラジンバルの制御を同時に実施。ドローンは自動で送電線と適切な距離を保って追従飛行し、最適な画角で対象となる送電線を捉え撮影し続けるため、事前の飛行ルート設定なしで点検を開始できるのが特徴。

画像認識と異なり逆光や影、類似する構造物の影響を受けないため、常に高品質なデータを取得できる。特許も取得済み。

ドローンが自動で送電線の追従飛行と映像データ取得を行うため、点検員は昇塔やドローン操縦が不要となり、負担を軽減できる見通し。ドローンからリアルタイムに送られる映像を確認し、気になる点検箇所や異常箇所があれば、アプリ操作によりその場でドローンを一時停止させ、映像を拡大するなどして状況を確認できる。

送電線の自動追従飛行では常に一定の離隔距離を保ち、映像を記録。電線の映像を常に安定して画角に捉え、送電線のより線までしっかりと記録できる。常に送電線を検知しながら飛行するため、送電線のたわみが大きい箇所や傾斜の勾配がある現場でも、常時送電線を追従しながら飛行し映像を記録する。風の影響でドローンの向きや位置が変わっても、位置や向きを補正して飛行する。

「BEPライン」を導入することで、従来の高倍率スコープやヘリコプターなどを使う従来の目視確認と比べ、点検品質の向上、点検員の安全確保、作業の効率化、コスト低減が可能になる。将来の点検員不足や、設備の高経年化による点検対象増加への対応など柔軟な点検体制の構築と、データ活用による施設の高度な運用・管理、予兆保全、DX化の推進に寄与すると見込む。

(藤原秀行)※いずれもブル―イノベーション提供

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