EC返品業務効率化のRecustomer、商品の実物を自宅で手軽に試着可能な新機能を公開

EC返品業務効率化のRecustomer、商品の実物を自宅で手軽に試着可能な新機能を公開

0円で注文し購入決めた物のみ支払い、不安解消で利用促進狙い

小売事業者がECサイトで取り扱っている商品の返品や交換に関する業務を効率化できるツール「Recustomer(リカスタマー)」を展開しているスタートアップのRecustomerは11月17日、既存株主のALL STAR SAAS FUND、Coral Capital、Gazelle Capital、G-STARTUPと新規引き受け先のモバイル・インターネットキャピタルから合計2億円の資金調達を実施したと発表した。

合わせて、新たな機能として、ユーザーが衣服などの商品をECで購入する前に自宅で実物を試せる「Recustomer 自宅で試着」を公開した。

調達した資金は、大手ブランド企業の導入に向けたセールスチームとカスタマーサクセスチームの組織強化、プロダクトのセキュリティ強化に充てる。

「Recustomer 自宅で試着」はEC事業者が、自社のECサイトで“お試し購入”の提供を可能にするのが特徴。ユーザーは試着時に0円で注文し、商品が届いて試着をした後、購入しない場合は返送し、購入を決定した商品については金額を自動で決済する。

新機能は“ECで購入した商品”を試着をするのではなく、“実物を自宅で試着し、購入を決定した商品”のみ支払う仕組みのため、買い物客にとっては利用のハードルが低いのがメリット。EC事業者にとっても商品の購入率や平均注文単価の上昇を見込める。実際に、Recustomerを導入したECサイトでは、買い物客が複数商品を注文し、そのうちの過半数を購入する例が増えているという。

また、新機能を使うことで、EC事業者は買い物客に対し購入理由や返送理由に関するアンケートを実施できるため、買い物客のインサイトを取得し、そのデータを自社のマーケティングや商品のフィードバックに役立てることも可能。

Recustomerは、事業者と商品のやり取りが発生する倉庫にも管理画面を提供、情報共有しているため、返送による検品作業もオペレーションを一貫して実現できる。万が一、買い物客から期限通りに商品が倉庫に返送されない場合なども事業者側と倉庫側で現状把握が迅速に行えるため、スピーディーに督促などの対応を行える。

Recustomerは、ローソンの既存物流網を生かしたEC商品の返却・返品サービス「SMARI(スマリ)」を簡単に使えるようになっているため、試着して購入を見送った商品も手軽に返品できる。

アパレルのほか、靴やかばんなど様々なEC商品を対象に、新機能の利用を働き掛けていく予定。

(藤原秀行)※いずれもRecustomer提供

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