自律制御システム研究所・太田社長が強い意欲示す
ドローン(小型無人機)の製造・販売などを手掛ける自律制御システム研究所(ACSL、千葉市)の太田裕朗社長は、飛行ルートのプログラミングや自動化技術については日本勢が中国など海外勢よりも優れているとの見解を示した。
世界のドローン市場は中国のDJIがシェア7~8割と圧倒、また欧米勢は機体開発に加えてサービスビジネスを創出・拡大している。同分野では後発とも指摘される日本勢だが、高性能で緻密な運用条件に対応できる機能性・信頼性は今後の展開で大きな強みとなりそうだ。
太田社長は2月20日に陸上自衛隊東部方面隊と取り交わした「大規模災害発生時における災害応援に関する協定」締結式でロジビズ・オンラインの取材に応じ、「当社製品は自律飛行のほかパラシュートを搭載しており緊急着陸も可能。ドローンのさらに踏み込んだ自動化という点で中国勢に先行している」と自信をのぞかせた。
さらに「プログラミングによる飛行は物流用ドローンで技術・ノウハウともに相当蓄積している」と明言。日本郵便、楽天とそれぞれ行った長距離目視外飛行の実証実験を通じて得た成果もバックボーンの一つになっていると推察される。
こうした技術優位性を防災用ドローンに惜しみなく反映していく方針で、陸自との連携について「大規模災害への対応ではやはり自衛隊の存在が大きい。一緒に訓練させていただくことは開発・運用の両面でアドバンテージになる」と展望。
その上で「技術はもとより日本はそもそも自然災害が多いという現状がある。これにしっかり対応できるよう引き続き開発を進め、世界最高の防災システム構築を通じて社会のお役に立ちたい」と事業のロードマップにも言及した。
(鳥羽俊一)
自律制御システム研究所・太田社長