全方位的に協力を模索、倉庫やリテール関係も視野
中国でインターネット通販サイト「京東商城(JD.com)」を運営するEC(電子商取引)大手、京東集団の肖軍副総裁は2月21日、東京都内でロジビズ・オンラインなどの取材に応じた。
肖氏は、楽天とドローン(小型無人機)やUGV(地上配送ロボット)を用いたネット通販商品の無人配送実現へ提携を発表したのに関連し、他にも日本の物流企業などと連携することに意欲を示した。
ロジビズ・オンラインなどの取材に応じる肖軍副総裁
肖氏は京東集団でさまざまな技術開発を担うX事業部の責任者を務めている。楽天との協力関係構築について「eコマース以外に銀行などさまざまな産業分野を積極的に展開していて、当社と似ている」と指摘。提携の成功に強い期待をにじませた。
楽天以外の企業と協力する可能性を問われたのに対し、肖氏は「近いうちにたくさんの企業と他の事柄に関する協力についてお知らせできるようになると考えている。X事業部としては今後海外で展開する中で、その国で最も良いパートナーと組み、一緒に市場を開拓していきたい。日本では全方位的に協力していきたいとのスタンスだ」と説明。
「日本でも例えば倉庫やリテールなどといった、いろいろな事業について(新たな動きを)お伝えできるようになる」との見通しを示した。
今後の海外展開はインドネシアやタイなど東南アジアで拡大していくとともに、中国の隣国である日本、韓国も強く意識していると解説。さらに欧米での事業拡大も視野に入れていることを明らかにした。
中国で展開しているドローン物流については「交通アクセスの悪い農村など、本当に困っている地域にドローンを飛ばしている。都市部では不経済になってしまう。内部の業務効率改善で利益が出ている」と内情を明かした。
(文・藤原秀行、写真・中島祐)