2隻目、環境負荷低減狙う
飯野海運は6月6日、オーストリアの大手樹脂メーカーBorealis(ボレアリス)と、韓国の造船大手Hanwha Ocean(ハンファオーシャン)へ2027年1~3月竣工予定の9万3000㎥型Ice Class VLGC(Very Large Gas Carrier、大型LPG=液化石油ガス=船)を発注するとともに、ボレアリス向けに長期定期用船契約を締結したと発表した。
本船はボレアリスがフィンランド・ポルヴォーで運営している石油化学プラント向けの原料輸送を担う。「Ice Class IB」を満たす耐氷性能を備えた世界で唯一のVLGCとして、同社プラントの安定運営を支える。
本船は飯野海運にとって3隻目、ボレアリス向けとしては2隻目のLPG二元燃料主機搭載VLGCとなる。VLGCとして最大船型で、輸送貨物1t当たりの燃料消費量を削減できると見込む。加えて、燃料としてのLPGは従来の重油に比べ、CO2や粒子状物質(PM)、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)の排出量を削減することが可能。
さらに、軸発電機モーターを搭載し、陸上電力供給システムの導入も検討するなど、環境負荷低減を徹底する。
<本船概要>
全 長:229.90m
全 幅:36.60m
貨物タンク容量:93,000㎥
竣工予定:2027年1~3月
2023年から運航しているボレアリス向け初VLGC(©Hanwha Ocean)(プレスリリースより引用)
(藤原秀行)