宅配便配送能力、30年にはドライバーが5.8万人不足

宅配便配送能力、30年にはドライバーが5.8万人不足

NTTデータ系コンサルのクニエが予測、トラックより使いやすい「商用EV三輪バイク」活用提言

NTTデータ系コンサルティングファームのクニエは11月30日、宅配便の配送能力を予測したレポートを公表した。

宅配便の需要に対するトラックの配送能力について試算したところ、2030年にドライバー不足が約5.8万人に達し、2027年以降には車両も不足する見込みになった。同社は深刻な状況の打開に向け、宅配業界に対し、トラックより使いやすい商用EV(電気自動車)三輪バイクを積極的に利用するよう提言している。

レポートは宅配便取り扱い個数が今後も伸び続け、2030年には約60億個と21年実績の2倍強に達すると想定。一方、ドライバーの供給可能予測数は不足が見込まれる上、2024年の「時間外労働時間の上限規制」適用でドライバー1人当たりの稼働時間がさらに減少するため、さらに多くのドライバー数が求められると展望。2030年には供給可能人数が約22万人で、不足は約5.8万人に達すると見積もっている。

車両台数については2027年以降に需要が供給を上回り、30年には約1万台が不足するとみている。


将来の宅配需要に対する供給可能予測数の不足(ドライバー数)(クニエレポートより引用)

クニエはレポートの中で、「トラックによる宅配便の配送はさまざまな限界や課題を抱えているため、『トラック』という配送手段自体を見直す時期が来ている」と強調。「環境問題」「道路事情」「小型荷物の増加」「トラック運転手数の鈍化」の4つの観点から、今後不足する「トラック」による配送能力を補う輸送手段として「商用EV三輪バイク」の利用を訴えており、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)にも貢献できると推奨している。

(藤原秀行)

レポートのダウンロードはコチラから(クニエウェブサイト)

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