温室効果ガス排出「ネットゼロ」目標、現状ではほぼ全ての有力企業で達成困難

温室効果ガス排出「ネットゼロ」目標、現状ではほぼ全ての有力企業で達成困難

アクセンチュア調査、「削減量を最低2倍にする必要あり」と指摘

アクセンチュアは11月1日、企業の地球温暖化対策に関する最新調査結果「Accelerating global companies toward net zero by 2050(2050年のネットゼロ達成に向けて加速するグローバル企業)」を公表した。

世界の公共および民間の有力企業2000社の温室効果ガス排出削減目標とデータを分析したところ、グローバル企業の34%が温室効果ガス排出を実質ゼロにする「ネットゼロ」目標に取り組んでいるものの、2030年までにCO2排出削減量を少なくとも現在の2倍にできなければ、ほぼ全ての企業(93%)で達成は困難なことが分かったと指摘した。

調査結果によると、科学的知見に基づき削減目標を定める国際的な活動「SBTi」の認定を受けた目標数は今年、記録的に増加した一方、エネルギー価格の高騰と供給不安が拡大している影響もあってネットゼロ目標の達成が困難になっていることが明らかになったという。

別の調査では、84%の企業が「2022年末までにサステナビリティ関連の投資を増やす予定がある」と回答している。

アクセンチュアは「ネットゼロへの移行は、あらゆる企業活動に組み込むことが重要。脱炭素化の実現には、炭素関連のデータを理解し行動するためのデジタルと物理的な技術の組み合わせが不可欠」と強調している。

調査はグローバル企業のネットゼロ目標の現状と未来を把握することを目的として実施。ネットゼロ目標を公表している企業数、各企業が目標として設定している達成年度、過去10年間の温室効果ガス(CO2など)排出量の削減実績を考慮し、目標達成に向けた現在地を示している。

(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用

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