米国やインド、中東など想定
日本通運の齋藤充社長は2月22日、東京都内の本社で開いた新たな経営計画のメディア向け説明会の席上、グローバル規模で事業の成長を図るため、海外企業のM&Aを積極的に検討していく姿勢を示した。
経営計画説明会に臨む齋藤社長
齋藤社長は新経営計画に関連し、将来目指す姿を「グローバルな市場で存在感のあるロジスティクスカンパニー」と設定していることに触れ、「どうしても主体は海外になってくると思う。われわれがカバーできていない地域やまだ手薄な地域が対象」と説明。米国やインド、中東などを例に挙げた。
併せて、医薬品など重点事業の強化につなげられる有望企業もM&Aの対象として検討する意向を示唆した。
「世界のメガフォワーダー比肩に必要な数字示した」と決意
また、フォワーディング強化を鮮明にしていることに言及。「海外のメガフォワーダーと肩を並べていくために必要な数字を明確に示した」と語り、世界の強豪と伍していける体制の構築に強い決意を表明した。
新たな経営計画で持ち株会社制への移行検討を打ち出していることに関し「私個人としては計画期間中にできればいいなと思っている」と説明。持ち株会社の下に各事業会社が並ぶ形とし、世界規模でガバナンスを強化していくことを想定していると明らかにした。
物流現場を覆う深刻な労働力不足については「今のところ(機械化や業務の生産性向上など)どんな方向でも対応できるとの構えだ」と強調、多様な手法を駆使していくスタンスを見せた。同時に「業界全体の中で勉強しながら、責任を持って全体的な(取り組みの)方向性をまとめ、取り組んでいくべきだ」との考えを示した。
(藤原秀行)