三菱HCキャピタル・久井社長、2024年問題など物流の課題解決へ「調整役」に強い意欲

三菱HCキャピタル・久井社長、2024年問題など物流の課題解決へ「調整役」に強い意欲

物流施設開発、霞ヶ関キャピタルやCPDと組み規模拡大

リース大手の三菱HCキャピタルは5月16日、東京都内で2023年3月期(22年度)連結決算と新たに制定した24~26年度を対象とする中期経営計画に関する説明会を開催した。

久井大樹社長は、親中計で海上コンテナなどの輸送関連機器や北米の鉄道貨車のリースなどを手掛ける「ロジスティクス」、物流施設開発などの「不動産」、航空機やエンジンを取り扱う「航空」といったそれぞれの事業セグメントで成長を図っていく意向を表明。

ロジスティクスについては、トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」など物流領域が抱えている課題の解決に向け、荷主企業や物流事業者といった幅広い関係者間の連携を促す調整役を果たすことに強い意欲を見せた。


説明会に臨む久井社長

久井社長は、新中計で設定しているセグメント別の事業戦略に触れ、ロジスティクスは海上コンテナのリースでデジタル技術導入を通じて事業基盤を強化することなどを表明。航空は次世代の航空技術や脱炭素化といった新事業に注力する考えを示した。不動産は物流施設の開発投資を強化する方向性を打ち出した。

ロジスティクスのセグメントについては、日野自動車傘下で幹線輸送サービスの改善を手掛けるNEXT Logistics Japan(NLJ)に出資していることに言及。「われわれの役割は商社さんと少し似ている部分はあるが、いろんな業種の方が参加されている中でアレンジ役をできるところからやっていくのが1つの事例。関係する業界は非常に幅広いので、関係する部署が組織横断的にプロジェクトに入っていくことで(課題解決に)貢献できると思っている」と説明した。

自社で展開している物流施設開発や脱炭素施策の支援といった、様々なサービスを組み合わせて物流の課題解決を後押ししていきたいとの思いを述べた。

説明会に同席した佐藤晴彦取締役常務執行役員は、物流施設の開発・運用を手掛けているセンターポイント・ディベロップメント(CPD)を4月に完全子会社化したことに関連し「同じく提携している霞ヶ関キャピタルさんとは競合するよりも協業できると思っている。(CPDと霞ヶ関キャピタルが持つ)それぞれの専門性を生かしてシナジーを発揮できると思っている」と解説。

霞ヶ関キャピタルは主に冷凍冷蔵倉庫、CPDはそれ以外の先進的な物流施設と連携する領域が重複しないため、物流施設開発の規模拡大につながるとの見方を示した。

(藤原秀行)
 

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