船員の福利厚生拡充や業務連絡迅速化を期待
日本郵船は12月26日、米宇宙関連企業スペースXが運営している衛星高速通信サービス「Starlink（スターリンク）」のトライアル利用を、シンガポールのグループ会社エヌワイケイ・シップマネジメント管理船で試験的に実施したと発表した。
現在、船陸間の通信は高軌道の衛星を利用しているため、船上での通信速度は陸上より遅く、通信速度を上げるには高額な大容量通信を使用する必要がある。
スターリンクは低軌道衛星を利用しているため、既存の通信より高速かつ低額な大容量通信が可能。
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日本郵船は船上で働く乗組員が陸上の家族や友人とのコミュニケーションを円滑にすることにより、船員の福利厚生の拡充による労働意欲の維持・向上を目指している。また、船陸間でビデオ会議ができるようになることで、メールや電話に頼っていた従来の業務連絡がスムーズになり、機器の不具合・トラブル発生や、乗組員への遠隔医療などの際に、リアルタイムでの陸上支援を得られるため、安全運航の向上が期待できるとみている。
スターリンクを導入することで、同社が取り組んでいる自律運航技術の実現や、航行海域の気象・海象情報の船陸間共有、船内業務のDX化加速も視野に入れている。
今回のトライアルはコンテナ船で実施し、北米大陸沿岸では従来の通信速度を大きく上回ったという。今後は船陸通信速度の向上を促進し、かつサイバーリスクへの対策を徹底することで、様々なパートナーとともに海事イノベーションの創出を目指す。
設置したスターリンクのアンテナキット
アンテナ設置の様子（いずれもプレスリリースより引用）
（藤原秀行）
