【動画】「第6回トラックドライバー甲子園」を開催

【動画】「第6回トラックドライバー甲子園」を開催

子どもが憧れる職業目指し、変革へ行動起こす重要性確認

 トラック運送業界の地位向上に取り組む団体「ドライバーニューディールアソシエーション(D.N.A)」は2月24日、東京都内で、全国の運送事業者にスポットを当てて存在意義を広くアピールする独自のイベント「トラックドライバー甲子園」(後援・国土交通、経済産業両省、全日本トラック協会、日本貨物運送協同組合連合会)の第6回大会を開催した。

 今年は「未来への一歩」をテーマに設定。参加者は大会の礎となっている「ドライバーを安心して安全に働くことが可能で子どもたちが憧れる職業にする」との理念を実現するため、各自の思いや日々実践していることを発表。行動を起こす重要性をあらためて確認し合った。

 D.N.Aは全国の中堅運送会社や自動車学校、税理士法人など130社(今年1月末時点)で構成。普段は縁の下の力持ちとして活躍しているドライバー自身が日ごろの仕事内容ややりがいなどを発表、関係者に広くアピールするための場として、13年からトラックドライバー甲子園を毎年開催している。


約300人が集まった会場※クリックで拡大

創意工夫意欲への謝意を社内専用仮想通貨で表す

 冒頭、D.N.Aの髙嶋民仁理事長(ウインローダー社長)は「未来のドライバーの皆さんがただ物を運ぶだけではなく、運転もできる知的労働者、ホワイトカラーになるべく、本当の意味で(ドライバーという職業の)付加価値を上げていきたい」と業界変革へ熱い思いを語った。


業界変革への熱い思いを語る髙嶋理事長※クリックで拡大

 続いて、ドライバーが誇りを持っていきいきと仕事に臨める環境の整備に努め、成果を挙げている運送事業者を表彰する「MVC(Most Valuable Company)」を発表。エントリーのあった6社から食品・外食など向け配送業務を手掛けるマイロジ(愛知)と重量物輸送を得意とするゴールド・スター(神奈川)の2社が選出され、それぞれ担当者が変革の道のりを説明した。

 マイロジは業績評価に反映されにくい細やかな業務上の創意工夫への感謝をきちんと伝え、従業員の前向きな姿勢をより引き出すため、新たに社内専用の仮想通貨「MYLО(マイロ)」の導入を決定。丁寧な洗車やデジタコの点数の高さなどに対して発行、社員は通貨がたまれば会社側が準備した景品と交換できるようにすることなどが注目された。

 ゴールド・スターはかつて売り上げ至上主義だった2000年代初め、社内の雰囲気や待遇の悪さから入社する人数を退職者が大きく上回っていた惨状を変えたいと発起し、ドライバーの平均年収を500万円以上にすることなどを目標に設定。最新の労働管理システムを活用して拘束時間を短縮すると同時に業務を効率化し、社内のコミュニケーション徹底も図るなどした結果、残業時間は減らしつつ11~18年にかけて売り上げを2割、利益は5割増やし、平均年収の目標も達成したことが示された。


マイロジ(中央の3人)とゴールド・スター(左端)のプレゼンテーション参加者※クリックで拡大

他の模範となる4人を表彰

 昨年の第5回大会に続き、真摯に働く若手ドライバーの「イケメンコンテスト」を実施。予選を通過した▽佐川急便の植田洋輔氏▽エー・シー・トランスポート(埼玉)の今井京介氏▽ゴールド・スターの播潔氏――の3人が登壇し、来場者らの投票により今井氏が選ばれた。


(左から2人目より順に)植田氏、今井氏、播氏※クリックで拡大

 次に、他の模範になるような活躍をしていると推薦を受けたドライバーの中から選ぶ「MVC(Most Valuable Company)」を実施。「新人」「中堅」「トラガール」「ベテラン」の4部門ごとにドライバーを表彰した。

 新人部門はフィリピン国籍を持ち、日本で生まれ育ったカーン・フィダマナリリ氏(関根ロジスティクス・埼玉)。日々明るく、一生懸命に現場から学ぼうとしている姿勢が高く評価された。

 中堅部門は入社から10年以上無事故・無違反の大阿久政則氏(安立運輸・東京)。新聞配送という社の中核業務に率先して取り組むなど真面目な仕事ぶりが前向きに受け止められた。

 トラガール部門はドライバー歴2年の大眉美佳氏(ワラマック・静岡)が獲得。昔は会社の敷地内でトラックをぶつけるなど失敗してきたが強い責任感で仕事を覚え、現在は新人指導を任されるほど会社から信頼を得ている点が好評価を得た。

 ベテラン部門はドライバー歴36年の飛石敏一氏(ウインローダー・東京)。あらゆるトラックの運転に精通し、積んでいる荷物の特性を重視した運転をする 気配りが高く評価された。


(左から2人目より順に)飛石氏、大眉氏、大阿久氏、フィダマナリリ氏※クリックで拡大

ドライバー自ら「情熱のプレゼン」

 最後に、ドライバーらが自ら仕事に打ち込む姿勢や現在の窮状を打破するために進める独自策をアピールする「情熱のプレゼン」を開催。今回は審査で選ばれた3社が登場した。

 裕進運輸(三重)は、勤続4年未満のドライバー3人が「会社の新たなイメージを創り上げたい」と感じて参加。「ありがとうをツナグ」との思いを実現するため、ドライバーが自分の仕事に誇りを持ち、日々笑顔で同僚や先輩、家族、顧客らに感謝を伝えることが、成長を続けていく上で大切だと繰り返し説いた。

 エー・シー・トランスポートは、男女の若手ドライバー5人が「スーパースター」という名のチームを結成。同社の経営理念「私達は、お客様に『ありがとう』を届け、関わり合う全ての人に『幸せ』を運びます」を実現しようと研修や業務、ボランティア活動に尽力していることを紹介し、引き続き5人が連携して未来を創造していくことへの決意を示した。

 最後に、マイロジのスタッフが登壇し、社内でお互いに感謝の思いを言葉につづって贈り合う「ありがとうカード」、従業員に給料支給と同じタイミングで社長からのメッセージを渡す「給料レター」といった工夫を続けていることに言及。これからもドライバーという仕事への誇りを維持し、元気と安心を顧客に届けると約束した。


(左から)マイロジ、エー・シー・トランスポート、裕進運輸のメンバー※クリックで拡大


「情熱のプレゼン」①(裕進運輸)

「情熱のプレゼン」②(エー・シー・トランスポート)

「情熱のプレゼン」③(マイロジ)

 全ての発表が終わったのを受け、来賓として参加した国土交通省自動車局の平嶋隆司貨物課長は「皆さんの熱い思い、情熱が伝わってきた。現場を担われているドライバーさんを主役にして、そこに光を当てて魅力を伝えていく場を発信していくのは非常に大切だと思う。将来に向けて、勇気をもってどんどん変えていく情熱を持ち続けることが大事かなと強く感じた」とあいさつ。物流業界変革を国としても支えていく姿勢を強調した。


あいさつする平嶋課長※クリックで拡大

 全日本トラック協会の結城賢進青年部会長は「D.N.Aの皆さんとはこれからも切磋琢磨しながら、将来の明るい業界を作っていこうというビジョンは同じなので手を携えて歩んでいきたい」とエールを送った。


D.N.Aにエールを送る結城部会長※クリックで拡大

 最後に、出島康佑大会実行委員長(安立運輸社長)が大会開催協力への謝辞を述べるとともに、「モデルケースを共有し、自社が抱える課題の解決に向けて一歩を踏み出す。こうした1社1社のスモールケースの積み重ねが業界全体を良くしていくことになると考えている。物流業界を支えている仲間とともにこの業界を良くしていきたい。この大会に参加された皆さまの未来の一歩につながっていくことを願っている」と締めくくった。


大会を締めくくった出島大会実行委員長※クリックで拡大

(藤原秀行)

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