産業用ロボットの導入作業時間を大幅短縮、パレタイズは9割減

産業用ロボットの導入作業時間を大幅短縮、パレタイズは9割減

デンマークのOnRobotが新たな汎用コントローラー発表

産業用アーム型ロボットの先端に取り付けるグリッパー(物をつかむ部分)の開発・製造などロボット関連事業を手掛けるデンマークのOnRobot(オンロボット)は1月20日、製造業や物流業向けに、産業用ロボットの導入を容易にするクラウドベースの汎用型ロボットコントローラー「D:PLOY(デプロイ)」の提供を、日本を含む全世界で開始したと発表した。

産業用アーム型ロボットでピッキング・格納やパレタイズ、CNC(コンピューター数値制御)などの作業を実施する際、デプロイを用いることで細かな動作を容易に実現できるのが特徴。パレタイズの場合、パレットのサイズや積み付ける荷物の数などをシステム入力すれば、作業空間内にある障害物や他のロボットとの境界などを考慮した動作を生成できる。使用開始にこぎ着けるまでの作業時間を9割程度短縮できるという。

OnRobotは大企業だけでなく、中堅・中小企業にとってもロボット採用のハードルを下げる効果があるとみている。

デプロイは現状、大半のロボットに活用することが可能。今後はデパレタイズや研磨、ねじ締めといった製造業や物流業で必須の作業も順次デプロイで対応できるようにする方針。


中央のコンポーネント(装置)をロボットに接続、導入作業を大幅に短縮できる


入力画面のイメージ

東京都内で同日、記者会見したOnRobotのエンリコ・クログ・アイベルセンCEO(最高経営責任者)は「従来の汎用ロボットコントローラーはユーザー側もある程度プログラミングをすることが必要だった。デプロイはプログラミングが不要だ」と利便性を強調。

アジア太平洋地域ジェネラルマネージャーのジェームズ・タイラー氏は「日本の製造業や物流業で自動化がなかなか進んでいないのは(ロボット導入が)複雑かつ時間がかかるからということもあると思う。デプロイで自動化対応がスピーディーにできるようになる」と語った。

また、デプロイはシステムインテグレーター(SIer)と製造業・物流業の双方向けに提供していく方針を強調。「SIerの方々にとっても、一定時間内で従来以上に多くのロボット導入が可能になる」とアピールした。


アイベルセンCEO(写真はいずれもOnRobot提供)

(藤原秀行)

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