1割前後、燃料費や人件費のコスト高騰受け5年半ぶり
SGホールディングス(HD)は1月27日、傘下の佐川急便が、「飛脚宅配便(飛脚クール便含む)」「飛脚特定信書便」「飛脚ラージサイズ宅配便」の基本運賃を4月1日に値上げすると発表した。
引き上げるのは2017年11月以来、約5年半ぶりとなる。燃料費や人件費などのコスト高騰が続き、企業努力ではカバーしきれないと判断した。引き上げ幅は1割前後となる。
トラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」を控え、値上げ分を協力運送会社の待遇改善に充て、協力関係をつなぎとめておきたいとの思いもある。
佐川は昨年12月、公正取引委員会からコスト上昇分の取引価格への転嫁の必要性を下請け企業などと価格交渉の場で明示的に協議せず、据え置いていることが確認されたとして、トランコムや丸和運輸機関、大和物流などと合わせて社名を公表されていた。
今回の値上げは主に個人が利用する分が対象となり、宅配便全体の取り扱い個数に占める割合は数%程度とみられるが、佐川は宅配便に関し、企業間のBtoBの配送についても、大口顧客にそれぞれ運賃の適正化を求めていきたい考え。
関東から関西の場合、飛脚宅配便は主力の60サイズで880円から970円、80サイズで1155円から1280円、100サイズで1496円から1610円などとなる。
(藤原秀行)