東洋製罐系の東洋メビウス、埼玉・熊谷で自動化・環境配慮型の2.2万㎡新倉庫開設へ

東洋製罐系の東洋メビウス、埼玉・熊谷で自動化・環境配慮型の2.2万㎡新倉庫開設へ

4月に営業開始予定、国内初の茶殻をアップサイクルした防音パネル採用

東洋製罐グループホールディングス傘下の物流企業、東洋メビウスは2月1日、新たに埼玉県熊谷市で物流倉庫「熊谷物流センター」の営業を今年4月に開始すると発表した。


熊谷物流センターの完成予想図

熊谷物流センターは延床面積約2万2,000㎡を計画しており、およそ1万5000パレット(1440×1100mmサイズ)が保管可能な大型倉庫となる。東洋製罐グループホールディングスが妻沼西部工業団地内で取得した約9万2500㎡の土地の一画に現在建設中で、今年2月末の完成を見込む。

東洋メビウスは新倉庫を「環境配慮」や「お得意先へのサービス向上」、物流基盤の構築に伴う「ホワイト物流の推進」の3つを実現するための次世代倉庫のモデルケースと位置付けており、自動化機器の導入など持続可能な物流の実現を図る。

太陽光発電システムの設置、高密度保管システムの採用、トラック予約受付システムの導入により、省人・省力・省エネ化へ積極的に取り組む予定。ホワイト物流も推進する。

併せて、伊藤園の協力を得て茶殻をアップサイクルした「茶殻配合防音パネル」を採用するなど、環境に配慮した「地球に優しい次世代倉庫」を目指す。CASBEE建築評価Aランク取得済みで、ZEB認証取得の審査を依頼中という。

熊谷物流センターが位置する埼玉県北部近隣には酒類・清涼飲料充填工場が多く存在し、以前より飲料容器を中心に365日24時間フルタイムでデリバリー対応している。

新拠点は生産拠点と得意先群をつなぐハブ倉庫として、より柔軟性の高い対応で製品を配送すると同時に、容器物流で培ってきたノウハウを現場に投入し、衛生管理の行き届いた保管環境を提供。製品の安全と品質を守ることをアピールしていく構えだ。

【熊谷物流センターの概要】
所在地: 埼玉県熊谷市妻沼西二丁目(妻沼西部工業団地内)
敷地面積: 17,800㎡(5,400坪)
延床面積: 22,000㎡(6,700坪)
倉庫仕様: 平置き倉庫棟3階層
      梁下有効高7.5m 床荷重1.5t/㎡
      格納量 7,000パレット(1440×1100mmサイズ)
      出荷バース4カ所
      高密度倉庫棟2階層(2階事務所エリア)
      高密度保管システム ラック6段積み
      格納量 8,000パレット(1440×1100mmサイズ)
      出荷バース6カ所
施設仕様: 物流倉庫(平置棟+高密度倉庫棟:高密度保管ラック)
      全館LED照明、垂直搬送機2基、荷物用EV1基
      除湿器、空調機、大型ファン
着工: 2022年4月
完成: 2023年2月末
設計・施工: 清水建設株式会社

新拠点には住友重機械搬送システムの高密度保管システム「マジックラック」を導入。ディープストレージ(多重配列保管)方式を採用し、保管効率向上を実現する。また、入出庫と荷ぞろえの自動化により保管エリア内でのフォークリフト作業を削減し、飛躍的な作業効率の向上と省人化への貢献を図る。


高密度保管システム「マジックラック」

再生可能エネルギーの太陽光発電設備を採用することで発電時のCO2排出量を削減。年間の削減量は122t-CO2を見込む。平置き棟屋根上に688枚の太陽光パネルを設置し、毎時最大約160kWの発電が可能。年間使用電力量70万kWhのうち、27万kWhを太陽光発電で賄い、再エネ率40%達成を目標に掲げる。

太陽光変電室は床上2.6mの架台に設置し、停電時に自律運転機能を一部備えることで災害時の非常用電源として活用することが可能。


太陽光パネル

伊藤園の「茶殻リサイクルシステム」により開発された「茶殻配合防音パネル」を国内で初採用。同社の持続可能な社会の実現への取り組みに賛同し、事務所壁面に茶殻入りデザインウォール「エコアートプラス」などの茶殻リサイクル品も採用する。


左の赤丸の部分に茶殻配合防音パネルを採用する予定

(藤原秀行)※写真はいずれも東洋メビウス提供

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