ニチレイロジ、低温物流事業でベトナム進出へ

ニチレイロジ、低温物流事業でベトナム進出へ

現地事業者と合弁会社設立、24年度中に新センター開設予定

ニチレイロジグループ本社は2月17日、ベトナムの物流事業者Tan Bao An Logistics(タン・バオ・アン・ロジスティクス、TBA)と1月31日付で同国に低温物流事業を手掛ける合弁会社「Nichirei TBA Logistics Vietnam」を設立する契約を締結したと発表した。

新会社は2月中に立ち上げ、2023年度中に出資を完了。24年度中に新センターを設立、同時に事業を開始する予定。資本金は約4800億ベトナムドン(約27億円)で、最終的な出資比率はニチレイロジ85%、TBA15%となる計画。

ニチレイロジグループは1988年のオランダを手始めに欧州へ進出し、2004年に中国、13年にタイ、18年にマレーシアでそれぞれ事業の展開を開始した。海外事業連結売上高は22年3月期が459億円で、総売上高の2割を占める。

海外事業をさらに成長させるため、ベトナムでも低温物流の事業基盤構築を図る。

ベトナムは農林水産品を中心に輸出商材の市場規模が大きく、中間所得層の増加に伴う生活水準の向上で輸入商材や小売関連商材をはじめとする国内消費需要も伸長。きめ細やかな温度管理が求められる低温物流市場の拡大が期待できるとみている。

合弁相手のTBAは自社所有の冷蔵・冷凍トラックを活用し、主に小売店向けの輸配送事業を手掛けるベトナム大手の低温運送会社。冷蔵倉庫運営を含めた包括的な低温物流事業のノウハウを有するニチレイロジグループと、低温運送事業を展開するTBAがタッグを組み、双方の強みを生かして高度な低温物流サービスを提供していきたい考え。

新会社は24年度中をめどに、ホーチミン市中心部から約20km南に位置し、近年輸出貨物取扱拡大が期待されているヒエップフック港にもアクセスが良いロンアン省ロンハウ工業団地に冷蔵倉庫を新設する予定。将来はベトナム国内の低温物流に加え、周辺のタイやマレーシアとも連携し、東南アジア全体の事業拡大を図ることを視野に入れている。

<合弁会社の概要>
商号:Nichirei TBA Logistics Vietnam LLC
本社所在地および冷蔵倉庫建設予定地:Lot D.03, Street No. 01, Long Hau Industrial Park, Can Giuoc District, Long An Province, Vietnam
資本金:約4,800億ベトナムドン(約27億円)
出資比率(出資完了時点):ニチレイロジグループ本社85% TBA15%
事業内容:冷蔵倉庫業(貨物保管・急速凍結・クロスドッキング)、利用運送業


新センターの外観予想図(想定収容パレット枚数:約2万パレット、ニチレイロジ提供)

(藤原秀行)

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