コクヨロジテム、9割の輸送ルートでパレット化実現

コクヨロジテム、9割の輸送ルートでパレット化実現

荷役作業時間が3分1に短縮

コクヨグループの物流企業コクヨロジテムは2月22日、全国の倉庫間輸送の全91ルート中、9割をパレット化し、作業負荷の軽減と待機時間の削減に成功したと発表した。

同社はコクヨグループのオフィス家具事業に属し、商材は収納庫類、イス、デスク・テーブル類などの代表的なものに加え、オフィス什器全般を扱っている。

物流業界はパレット化が標準の輸送体系になる一方、コクヨロジテムが取り扱う商材は組み立て式のため、組み立て前の荷物は荷姿やサイズ、重量が多様でトラックへの積み込みや荷降ろし作業に大きな負担が生じていた。

2019年7月にホワイト物流推進運動の自主行動提言を提出したことを契機として、本格的にパレット化の推進を始めた。

パレット化では、パレットに積み付けた後、ストレッチフィルムで荷物を固定するが、当初は荷物の多様性・複雑性から積載の安定性や効率の問題が残っていた。そこで、自社基準をクリアした「パレタイズ認定者」を定め、ノウハウの蓄積とスキル向上に努めた。

また、パレットに載らない荷物もあるため、自社仕様のボックスパレットを独自に開発、対応できるようにした。

様々な工夫により、荷扱いの作業時間が約3分の1になったのに加え、重量物の作業が減り、身体的負担や事故リスクも低減した。パレットの循環率やストレッチフィルム使用による環境負荷などの課題が残っているが、対策の安定化を進めており解決に向けて前進しているという。


左:従来のばら積み(手積み)による積載状態、右:パレット化した積載状態

今後はパレット化以外にも、様々な対策を進めていく方針。

(藤原秀行)※いずれもコクヨロジテム提供

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