「レベル4」解禁踏まえ、より高性能な産業用の機体目指す
トヨタ自動車グループで自動車部品大手のジェイテクトとドローンメーカーのプロドローン(PRODRONE)は2月24日、技術協力を開始すると発表した。
政府が昨年12月、改正航空法に基づき、ドローンが有人地帯で補助者を置かず目視外飛行する「レベル4」を解禁。ドローンが物流、設備点検、測量、空撮など様々な分野でさらに活動されると見込まれている。
ジェイテクトが持つ革新的な製品や技術と、プロドローンの機体開発の技術力やノウハウを組み合わせ、より高性能な産業用ドローンの開発を目指す。
ジェイテクトが2019年10月に量産を開始した蓄電デバイス「高耐熱リチウムイオンキャパシタ」と関連技術を提供、ドローンの電源性能を高めることなどを目指している。
高耐熱リチウムイオンキャパシタ(ジェイテクトプレスリリースより引用)
プロドローンの開発するドローンは、非常時に医薬品や救援物資を運ぶ手段として活躍することが期待されるほか、平時にも物流インフラが不十分な地域をカバーする輸送手段となることが想定される。
高耐熱リチウムイオンキャパシタは電気の出入り(放電・充電)が非常に速く、繰り返し充放電による性能劣化が少ないという特徴とともに、優れた安全性も備えている。電解液の改良に加え、電解液と電極材料の相性を考慮した組み合わせとすることにより、世界で初めて-40~85℃の動作温度範囲を実現した。
ドローンでは離陸や加速の際に必要な大電力の供給補助と電力変動吸収などに適しているとみている。過酷な温度環境でも性能を発揮することが可能で、ジェイテクトはドローンの電源性能向上・主電源として用いられるリチウムイオン電池の負荷軽減、寿命延長に貢献したい考え。
(藤原秀行)