世界初、商船三井がバイオメタノール燃料用いた「温室効果ガス排出実質ゼロ航海」に成功

世界初、商船三井がバイオメタノール燃料用いた「温室効果ガス排出実質ゼロ航海」に成功

カナダのメタネックスと連携、大西洋で成功

商船三井は2月28日、カナダのメタノール生産大手Methanex(メタネックス)と連携し、メタノール二元燃料船「Cajun Sun(ケイジャンサン)」を活用し、バイオメタノール燃料を使った「Net Zero Voyage(温室効果ガス排出実質ゼロ航海)」を実施したと発表した。

両社は、実際に脱炭素へ寄与できる燃料を使い、航海中の温室効果ガス排出を相殺したのは世界で初めてと意義を強調している。


(プレスリリースより引用)

ケイジャンサンは商船三井がメタネックスグループのWaterfront Shipping(WFS、ウォーターフロントシッピング)に貸船している。1月17日に米国ルイジアナ州ガイスマー港を出港し、2月4日にベルギーのアントワープ港に到着、航海を無事完了した。

化石燃料由来の天然ガスから製造される従来型メタノールと、再生可能天然ガスから製造され炭素強度(エネルギー消費当たりの二酸化炭素排出量)がマイナスの数値を示すISCC(国際持続可能性カーボン認証)を取得済みバイオメタノールを混焼。18日間の大西洋航海中に消費した燃料からの温室効果ガス排出総量を、燃料の製造から消費までのライフサイクルベースで相殺し、ネットゼロとすることができた。

メタネックスとWFS、商船三井は他の主要パートナーと組み、世界初の外航メタノール二元燃料船「Taranaki Sun(タラナキサン)」を2016年に建造するなど、メタノールの活用に注力している。

(藤原秀行)

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