月面への輸送サービス実現など目指すベンチャーのispace、4月12日に東証グロース上場

月面への輸送サービス実現など目指すベンチャーのispace、4月12日に東証グロース上場

開発事業化が目標

東京証券取引所は3月8日、月への物資輸送などを目指しているベンチャーのispace(アイスペース、東京都中央区日本橋浜町)のグロース市場への上場を承認した。上場は4月12日付。

月に輸送する物資(ペイロード)を自社グループのランダー(月面着陸船)やローバー(月面探査車)に搭載し、月まで輸送するサービスの展開を目指すなど、月面開発の事業化に取り組んでいる。

ispaceは2010年設立。創業者の袴田武史氏は米大学院で航空宇宙工学修士号を取得した後、経営コンサルティング会社を経て、民間によるローバー開発と世界初の民間月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」への参加を目指し、前身となるホワイトレーベルスペース・ジャパンを創設した。

その後、ローバー開発と資金調達面で提携していた欧州のホワイトレーベルスペース財団が「Google Lunar XPRIZE」から脱退したことを受け、2013年5月に組織を変更、現在のispaceに社名変更した。同年7月に「Google Lunar XPRIZE」に日本唯一のチーム「HAKUTO」として独自に参加した。

「Expand our planet. Expand our future.」をビジョンに掲げ、人類の生活圏を宇宙に広げ持続的な世界を実現することを念頭に置いている。

22年3月期の連結売上高は6億7414万円、経常損益は40億3915万円の赤字だった。

(藤原秀行)

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