JLL22年10~12月調査、空室率上昇もコストアップが影響と展望
JLL(ジョーンズ ラング ラサール)が3月20日公表した2022年第4四半期(10~12月)の東京圏における大型物流施設市場動向の調査結果によると、賃貸施設の期末平均空室率は5.2%で、前期(22年7~9月)から0.2ポイント上がった。前年同期比でも3.4ポイント上昇した。
前期から空室率が上昇したのは4四半期連続。需要自体は堅調なものの、長らく継続している圏内の大量供給傾向が影響しているもようだ。
エリア別では、東京ベイエリアが前期比1.8ポイント低下し2.8%となった一方、内陸エリアは新規供給に伴う空室増加で1.0ポイント上がり6.2%に達した。
10~12月の新規供給量は8棟、76万5000㎡で、ストックは前期比4%増加した。拡大した。ネットアブゾープション(吸収需要)は69万4000㎡。
JLLは「3PL事業者やオンライン小売業による旺盛な需要が持続した」との基本的な見解を据え置いた。2022年の暦年ベースでは、新規供給は271万㎡、ストックは前年比18%増加し、21年の223万2000㎡を上回り、調査開始以来の最大を更新した。
ネットアブゾープションも204万8000㎡を超え、過去最大だった19年の210万4000㎡とほぼ同水準に到達した。
期末の坪当たり平均月額賃料(共益費含む)は4541円で、前期から0.2%、前年同期から2.8%それぞれアップした。前期比で9四半期連続上昇した。JLLは「新規供給の高い賃料水準が上昇を牽引した」と指摘している。
今後の賃貸物流施設市場に関しては「賃料水準が比較的低いサブマーケットでの新規供給による賃料下押し圧力があるものの、土地価格や建築コストの高騰による賃料上昇圧力がそれを上回ると予測され、平均賃料は上昇する見通し」と展望。これまでの見解を継続した。
(JLL発表資料より引用)
(藤原秀行)