10tトラックにT11型パレットをフル積載で16枚積みの場合、12分で完了する見通し
オークラ輸送機は3月22日、荷積みパレットのウイングボディトラックへの自動ローディング(積み込み)装置「コンパクト型トラックローダ TL-3F」を開発、4月に受注活動を開始すると発表した。
フォークリフトに代わって荷物を無人で積み込むことが可能で、安全性を担保しながら⼤幅な省人化と⾼速化を実現できると見込む。
TL-3Fは物量の多い飲料系⼯場倉庫へ納入実績を持つ⼤型トラックローダの技術を活用し開発。飲料系⼯場倉庫は1⽇当たり100⾞ほどのトラックが到着するが、TL-3Fは最も市場が⾒込める1⽇30⾞程度のトラックが⾏き交う物流現場をターゲットに設定し、コンパクト化を図った。
トラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024 年問題」を考慮し、物流拠点での荷待ち時間短縮につながる新商品としてTL-3Fの開発にこぎ着けた。
⼤型ウイングボディトラック(10t,11t積み)への完全自動積み込みを実現。レール上を⾛⾏するフォーク搭載のトラバーサ(水平移動装置)が出荷バースまでコンベヤで運ばれてきた荷積みパレットを2パレットずつ持ち上げ、トラックの側面から積み込む。
荷降ろし位置へ到着するとトラバーサは停止し、フォークが荷台奥まで伸びパレットを載せると、フォークを抜いて次のパレットの引き取りへと移る。荷台位置や積み込み位置など正確に読み取る独自のセンシング技術で動作するため、パレットを正確にすき間なく積み込めるのが強み。
積載荷重は最⼤1700㎏で、毎時80パレッ トの処理能⼒を備える。10tトラックにT11型パレット(1100×1100㎜サイズ)をフル積載の 16枚積み込む場合、作業は12分で完了するとみており、荷待ち時間が⼤幅に短縮すると想定している。
フォークリフトによる積み込みは時間を要する上、操作ミスの可能性があり、倉庫内をピストン⾛⾏するため人や物との接触などの危険性が伴う。最近は操縦者の不⾜も深刻化し、積み込みの自動化ニーズは⼀段と⾼まっているとみて、TL-3Fの利用を物流現場へ積極的に働き掛けていく考えだ。
概算価格はシステム⼀式で8000万円と見積もっており、年間目標販売台数は10システムと設定している。
■システム構成と動作
(藤原秀行)※いずれもオークラ輸送機提供