帝国データバンク調査、行動規制緩和で経済活動正常化が後押し
帝国データバンク(TDB)が5月8日公表した4月の景気動向調査によると、景況感の水準を示す業種別の景気DIは「運輸・倉庫」が42.1で、3月から0.9ポイント上昇した。
前月を上回ったのは2カ月連続。直近で新型コロナウイルス感染拡大前の2019年12月(42.6)以来の高い水準まで再び回復してきた。
燃油代や電気料金の上昇など懸念材料はあるものの、コロナ禍の感染拡大を受けた行動規制が緩和され、経済活動が正常化してきたことが景況感改善を後押ししている。
全業種ベースの景気DIは4月が前月比0.7ポイント上がって44.6で2カ月連続悪化した。TDBは今後の景況感について「当面の景気は緩やかに上向くものの、人手不足や物価高などが下押し材料となり、一段と押し上げる力強さはまだない」と慎重な見方を示している。
運輸・倉庫業の個別のコメントを見ると、先行きに関しては「観光需要の回復による物流の増加および燃料費の若干の低下による好影響が見込まれる」(特別積合せ貨物運送)、「運賃への価格転嫁が進まない。60時間以上の残業代割増分、支払いが増える。
また2024年問題も待っていて、1人当たりの売上高が下がることが確定している」(一般貨物自動車運送)といった声が聞かれた。
調査は4月17~30日、全国2万7663社を対象に実施、40.2%の1万1108社から有効回答を得た。運輸・倉庫業は489社が回答した。
(藤原秀行)