東京と福島で25年度までに30台へ拡大計画
ファミリーマートは5月10日、物流部門の脱炭素化促進へFC(水素燃料電池)小型トラックの実用化に向けた走行実証を実施すると発表した。
5月15日から福島県郡山市、同16日から東京都府中市・調布市を中心とした店舗の商品配送にそれぞれ投入。6月以降には、東京都八王子市・日野市と、江戸川区葛西を中心とした店舗配送でも開始し、車両台数は2025年度までに東京都と福島県で約30台まで拡大する予定。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「グリーンイノベーション基金事業/スマートモビリティ社会の構築」の一環として実施する。
今回導入するFC小型トラックは、軽油使用の内燃車と比較して、トラック1台当たり年間約23tのCO2削減効果を見込んでいる。
ファミリーマートは商品の店舗配送でトラックから出るCO2を30年度までに、17年度対比で30%削減することを物流部門の目標と設定。様々な実行可能な施策を積極的に推進している。
AIを活用した配送シミュレーターの自社開発や、環境配慮車両の導入推進など様々な取り組みを進めた結果、22年度実績では17年度対比17.4%削減を達成。当初計画の15%を上回る実績を残すことができたという。
FC小型トラックの走行実証で目標に向けた取り組みをさらに加速させたい考え。
今回の走行実証は、お弁当やおむすび、サンドイッチなどの中食を中心とした1日3便の店舗配送コースで実施。配送コースによっても異なるが、1コース(1便)当たり平均10店舗への商品配送を担う。1日当たり(3便合計)では延べ30店舗を想定している。
走行実証を通じて、FC小型トラックの実用性(燃費・航続距離・温度管理)や利便性(水素ステーションでの充填などのオペレーションやタイミング)などを検証し、今後の導入拡大について検討する。
走行実証は、各車両で実運用開始から6年間継続して実施する予定。
FC小型トラックのイメージ画像(ファミリーマート提供)
FC小型トラックの仕様など
いすゞ自動車の「エルフ」をベースにしたFC小型トラック(最大積載量3t)。2室2温度帯(3-8℃/18-22℃)で商品配送を実施。動力および冷蔵ユニットの電源は、燃料電池によって対応。
【主要諸元】(目標値)
・航続可能距離:約260km(JE05モード相当)
・FCスタック :最高出力120kW以上
・燃料タンク :水素貯蔵量約10kg
ファミリーマートの店舗配送におけるCO2削減の主な取り組み(①~④)
(藤原秀行)