実船へのアプリケーション提供も開始
AI開発のJDSCは5月10日、海事領域への投資を強化すると発表した。
研究開発リソースを海事領域にフォーカスし、JDSCと三井物産などの合弁会社seawise(シーワイズ)を通じて船舶に関するデータプラットフォームの事業化を推進。4月までに実船へのアプリケーション提供も開始した。
日本の海事産業は近年、デジタル化への遅れや、温室効果ガス排出量削減をはじめとした環境性能への要求の高まりなど、国際競争における各種課題が指摘されている。
海事産業のアップグレードと国際競争力の向上を目指すために設立されたseawiseは、海事産業の各種課題をAI技術で解決し、船舶の生涯価値向上を図るため、海事向けデータプラットフォームの構築と、自社開発ソフトウェアと他社開発ソフトウェアのSaaS提供を行い、ストック型の収益モデルの確立を目指している。
JDSCは当該取り組みにおける技術研究およびプロダクト開発を担当。seawise代表取締役をJDSCの社員が務めるなど、主導的な役割を担っている。
既に顧客獲得(収益獲得)や開発支援で船舶のメンテナンス履歴データや動静(Noon Report、IoTモニタリング)データの応用、実船へのテスト機の取り付けとデータ収集の開始、造船会社向けデータサイエンティスト育成研修の提供などを手掛けている。
JDSCとseawiseは、今後も海事産業との連携を深め、アプリケーション品質の向上を目指すとともに、CO2削減に積極的に取り組む船主をする方針。
(藤原秀行)