「標準的運賃」や荷主への働き掛け、期限を24年3月末から延長へ

「標準的運賃」や荷主への働き掛け、期限を24年3月末から延長へ

自民党が政府への提言策定、議員立法で法改正準備

改正貨物自動車運送事業法で2023年度末(24年3月末)までの時限措置として設定している、トラック輸送の「標準的運賃」の告示制度と、運送事業者の違法行為を助長していると認められる荷主企業や元請けの運送事業者に改善を要請・働き掛ける制度が、2024年4月以降も当面継続する見通しとなった。

両制度は19年に改正法を議員立法、成立した。自民党の物流調査会(会長・今村雅弘衆議院議員)は5月11日、両制度の運用を当分の間延長するよう政府に求める提言を策定した。同会が中心となって法改正の準備を進め、再び議員立法による法改正案を国会に提出することを目指す。

標準的運賃の告示制度の告示制度は、告示した運賃自体に法的な強制力はないが、必要なコストを賄うだけの収益を運送事業者が得られる根拠の1つとして国交省が明示し、運送事業者が荷主企業との運賃交渉する上での材料として活用してもらうことを想定している。

改善を要請・働き掛ける制度は、政府から働きかけや要請を行っても荷主企業などが長時間の荷待ちといった問題行為を改善しない場合、改善を勧告するとともに具体的な社名を公開すると定めている。

政府が6月をめどに取りまとめる、トラックドライバーの長時間労働規制強化で物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」対応の政策パッケージにも、期限の延長を盛り込む方向で調整を進められている。

(藤原秀行)

政策カテゴリの最新記事