25年からを計画、電池工場に3000億円追加投資
トヨタ自動車は6月1日、需要が拡大する米国市場でBEV（バッテリー式電気自動車）を供給するため、米国でBEVの生産工場を整備すると発表した。併せて、電池工場に追加投資することも決めた。
2025年から米国の現地法人のToyota Motor Manufacturing Kentucky（TMMK）で、BEVの新型車となる3列シートSUV（多目的スポーツ車）の生産を開始する。トヨタが米国でBEVを生産するのは初めて。車両には同じく米現地法人のToyota Battery Manufacturing, North Carolina（TBMNC）で生産する電池を搭載する予定。
並行して、トヨタの北米統括会社Toyota Motor North America（TMNA）と豊田通商が、今後の電池の需要増を見据え、将来の拡張に備えた土台整備として、現在建設中のTBMNCに21億ドル（約3000億円）を追加投資し、インフラ整備を進めることを決定した。
今回の発表でTBMNCへの総投資額は59億ドル（約8300億円）に達し、TBMNCは拡大する電動車の需要に必要なリチウムイオン電池を生産・供給する。
トヨタは米国で、トヨタとレクサスのブランドで22種類の電動車を提供している。過去2年間でトヨタは電動化の取り組みを加速させるため、米国の事業に対して80億ドル（約1兆1200億円）以上を投じてきた。
グローバルでは、フルラインアップメーカーとして、これまで累計2300万台以上の電動車を販売してきた。25年ごろまでには、グローバルで販売する全車種を、電動専用車もしくは電動グレード設定車とする計画。BEVについては26年までに、年間150万台を基準としてペースを定め、10モデルの投入を目指しており、さらに30年までに約5兆円を投資することを公表済み。
TMMK概要
名称：Toyota Motor Manufacturing Kentucky（トヨタ モーター マニュファクチャリング ケンタッキー）
設立：1986年1月
生産開始：1988年5月
社長：Susan Elkington
従業員数：約9,400名
生産能力：約55万台
事業概要：車両生産（RAV4 HEV、カムリ（含HEV）、ES（含HEV））とエンジン生産
TBMNC概要
名称：Toyota Battery Manufacturing, North Carolina（トヨタ バッテリー マニュファクチュアリング ノースカロライナ）
設立：2021年11月
生産開始：2025年（予定）
社長：Sean Suggs
従業員数：約150名
出資比率：TMNA90％、豊田通商10％
事業概要：車載用電池の製造（HEV用・BEV用電池を2025年より順次生産開始予定）
（藤原秀行）
