水素・アンモニア普及の「基本戦略」を6年ぶり改定、今後15年間に供給網整備で官民計15兆円投資へ

水素・アンモニア普及の「基本戦略」を6年ぶり改定、今後15年間に供給網整備で官民計15兆円投資へ

政府が関係閣僚会議で改定了承、供給量を2040年に6倍の野心的目標も

政府は6月6日、首相官邸で「再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議」を開催し、温室効果ガス排出削減へエネルギー源として水素やアンモニアの普及を促進するため、2017年に策定した「水素基本戦略」の改定を了承した。

2030年ごろの水素やアンモニアの商用開始を目指し、サプライチェーンの整備を図るため、新たに水を電気分解して水素を生み出す装置などを対象に、今後15年間で官民合わせて15兆円を投資する方針を表明。2040年に供給量を現状の6倍に相当する1200万t程度まで高める「野心的目標」を新しく設定することも打ち出した。

水素やアンモニアは燃焼してもCO2を出さないことなどから、脱炭素を図るための有力なエネルギー源と期待されているが、供給設備の整備や輸送コストの低減など課題が山積している。

基本戦略の改定はこのほか、石炭など既存の化石燃料との価格差を埋めるための支援制度を確立することなども盛り込んでいる。安定した輸送体制の構築もさらに重要となる。

(藤原秀行)

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