2024年問題踏まえ、議員立法
時限措置として導入している、トラック輸送の「標準的運賃」を国土交通相が告示する制度と、運送事業者の違法行為を助長していると認められる荷主企業や元請けの運送事業者に改善を要請・働き掛ける制度に関し、2024年3月末の期限を「当分の間」延長することを定めた改正貨物自動車運送事業法が6月14日の参議院本会議で可決、成立した。
国土交通委員会が議員立法として改正案を上程していた。トラックドライバーの長時間労働規制強化で物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」を踏まえ、ドライバーの待遇改善が不可欠と判断、両制度を当初想定よりもさらに長く継続させることにした。
標準的運賃の告示制度は、告示した運賃自体に法的な強制力はないが、必要なコストを賄えるだけの適切な収益を運送事業者が得られる根拠の1つとして国交省が明示し、運送事業者が荷主企業との運賃交渉をする上で材料として活用してもらうことを想定。
改善の要請・働き掛け制度は、荷主企業や元請け運送事業者が応じなかった場合、国が改善を勧告するとともに具体的な社名を開示できると定めている。
(藤原秀行)