米西海岸の港湾労使交渉、新たな協約締結で暫定合意

米西海岸の港湾労使交渉、新たな協約締結で暫定合意

1年超でようやく峠越す

米西海岸の主要港湾のターミナル運営会社や海運会社で構成する太平洋海事協会(PMA)と、港湾労働者で組織している国際港湾倉庫労働者組合(ILWU)は6月14日、6年間を期限とする新たな労働協約を締結することで暫定合意に達したと発表した。

旧来の協約が2022年7月に失効したのに合わせ、双方が新たな協約の合意を目指し、1年以上にわたって交渉を続けてきた。6月に入って一部港湾で労働争議が発生するなど緊迫する場面も見られたが、急転直下で暫定合意に達した。

PMAとILWUのいずれも暫定合意の具体的な内容は開示していないが、労使の対立がようやく峠を越し、物流の混乱はひとまず回避できる見通しとなった。今後、両者で正式合意に向け、調整を続けるとみられる。新たな労働協約は旧協約が失効した2022年7月1日にさかのぼって適用されるもようだ。

西海岸の労使交渉長期化を嫌って、海運会社などの間で米東海岸やメキシコ湾岸の港湾利用にシフトする動きが出ていることも、暫定合意へ労使の背中を押した可能性がある。

(藤原秀行)

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