世界初、JFEスチールの「CO2実質ゼロ鋼材」のみで造船へ

世界初、JFEスチールの「CO2実質ゼロ鋼材」のみで造船へ

国内海運8社向け、脱炭素化加速

JFEスチールは6月20日、製造時のCO2排出量を実質的にゼロとみなすグリーン鋼材「JGreeX(ジェイグリークス)」に関し、NYKバルク・プロジェクト、商船三井ドライバルク、東興海運、川崎汽船、川崎近海汽船、第一中央汽船、第一中央近海、イースタン・カーライナーの8社が新規で建造を予定しているドライバルク船に採用することを決めたと発表した。

今回建造に使用する鋼材は全て「JGreeX」を使用する予定。グリーン鋼材のみで製造した船舶は世界で初めてという。JFEスチールは海運領域の脱炭素化加速に貢献したい考え。

「JGreeX」はJFEスチールが独自のCO2排出削減技術で生み出した削減量を、任意の鋼材に割り当て、製造プロセスでCO2排出量を大幅に減らしたとみなす仕組み。

海運各社、船主が造船会社に対し、使用する鋼材として「JGreeX」を指定。鋼材を作るのに要したCO2削減コストは賛同したサプライチェーンの関係企業などが広く負担する。CO2削減価値をサプライチェーン全体で負担する社会分配モデルの実現を目指す。

2023年度はNYKバルク・プロジェクト、商船三井ドライバルク、東興海運の3社が建造を予定している4隻(2024年9月~2025年1月就航予定)向けとして、造船会社の尾道造船、檜垣造船の2社に「JGreeX」を計1万4000t程度納入する予定。


ビジネスモデルの概要(プレスリリースより引用)

(藤原秀行)

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