昨年から15ポイント低下
北越コーポレーションが6月29日に開催した定時株主総会の際、会社側が提案した取締役人事のうち、岸本晢夫社長の再任に関しては株主からの賛成票の比率が65.13%にとどまったことが明らかにになった。
同社が7月3日、定時株主総会の議案に対する賛否の状況をまとめた臨時報告書を関東財務局に提出した。昨年開催の前回定時株主総会の際の80.21%から約15ポイント低下した。
他の取締役9人はいずれも78%台の賛成を得ており、岸本社長の賛成票の比率の低さが際立った。
岸本氏の社長再任に対しては、香港の投資ファンドのオアシス・マネジメントや愛媛県の大王海運が、岸本氏が取締役として24年間、社長として15年間在任していることなどを批判、定時株主総会の開催前にいずれも反対する意向を表明していた。
大王海運は製紙の原材料や紙製品の輸送・保管・配送などを得意としている。グループの美須賀海運と北越コーポレーション株式の約10%を共同保有しているほか、大王海運単独で製紙大手の大王製紙株式の約5%を所有するなど、製紙業界との結び付きが深い。
(藤原秀行)