「都道府県」「地区町村」に応じて取り組みなど例示
国土交通省は3月29日、災害時に支援物資を被災地へ円滑かつ迅速に輸送する体制の実現に向けた取り組みや運営などを示した「ラストマイルにおける支援物資輸送・拠点開設・運営ハンドブック」を策定したと発表した。
各地方自治体が平時に行っておくべきこと、災害発生時の組織体制・オペレーションなど例示・網羅したもので、国交省ではハンドブックを活用した地方自治体による実働訓練との連携、訓練成果の他地域展開などを通じて円滑な支援物資輸送体制の確立・強化を図っていく考え。
ハンドブックは「基本編」「都道府県編」「地区町村編」に分かれ、基本編は都道府県編、市区町村編に共通する車両確保や物資拠点の運営などで平時から行っておくことが望ましい基本的な取り組みを例示。
都道府県編、市区町村編ではそれぞれの立場で発災時の組織体制、輸送の手配、物資拠点の開設・運営のオペレーションなど、避難所(被災者)への円滑な支援物資輸送に必要な取り組みについて記載している。
このほかハンドブックの中から災害時の地方自治体職員の対応エッセンスを分かりやすくまとめた「クイックスタート版」も作成した。
将来的に首都直下地震や南海トラフ地震など広域かつ大規模な災害の発生が懸念・指摘される中、物流システムが寸断された場合に国民生活や社会活動へ甚大な影響が出ることが危惧されている。
被災者の生活維持のためには必要な支援物資を迅速・確実に届けることが重要である半面、過去の大規模災害ではラストマイル輸送が混乱して支援物資が届かないなどの課題が顕在化した。
国交省では有識者や関係省庁幹部、物流関係団体、物流事業者らで構成された「ラストマイルにおける円滑な支援物資輸送の実現に向けた調査検討会」を立ち上げ、昨年12月から議論を重ねてきた。
(鳥羽俊一)
詳細はコチラから