三菱造船、西日本初のLNG燃料バンカリング船「KEYS Azalea」の命名・進水式実施

三菱造船、西日本初のLNG燃料バンカリング船「KEYS Azalea」の命名・進水式実施

九電や日本郵船など合弁のKEYS Bunkering West Japanから受注、24年3月引き渡しへ

三菱重工業グループの三菱造船は7月12日、KEYS Bunkering West Japan(北九州市、KEYS)から受注した、西日本で稼働する初めてのLNG(液化天然ガス)燃料バンカリング船の命名・進水式を同日、三菱重工業下関造船所江浦工場(山口県下関市)で行ったと発表した。

「KEYS Azalea」と命名された本船は今後、艤装工事、試運転などを経て2024年3月にKEYSへ引き渡される予定。KEYSは九州・瀬戸内地域の船舶向けLNG燃料供給事業と内航輸送事業を目的に、九州電力と日本郵船、伊藤忠エネクス、西部ガスが共同出資して2022年2月に設立。LNG燃料を取り扱う本事業を通じて海洋の脱炭素化を推進する。

本船は、国内のLNGバンカリング船としては初めて、主発電機関にLNGと重油の両方を燃料として使用できるデュアルフューエルエンジンを搭載する予定。ガスモード運転時には排出されるCO2、NOx(窒素酸化物)、SOx(硫黄酸化物)、PM(粒子状物質)を大幅に削減できる優れた環境性能を備えている。

従来の船舶燃料の重油に比べて環境負荷の小さなLNGは、燃料の脱炭素化に向けてのブリッジソリューションとして期待されており、三菱造船はLNG燃料を供給する船舶を建造することで海事産業における温室効果ガス排出削減に貢献したい考え。


「KEYS Azalea」命名・進水式の様子(三菱造船提供)

(藤原秀行)

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