ACSLが米国でドローン販売強化へ、今期は50機体目指す

ACSLが米国でドローン販売強化へ、今期は50機体目指す

現地子会社が米企業とパートナーシップの覚書締結

ACSLは7月13日、米国子会社ACSL, Inc.が7月12日に、無人航空機やロボット関連の事業を手掛けるGeneral Pacific(ジェネラル・パシフィック、GenPac)と米国市場での製品の販売、サポート、修理、サービス支援を行う戦略的販売代理店パートナーシップに関する覚書(MOU)を締結したと発表した。

MOU締結でACSLグループは米国市場でのドローン販売を本格化。まず、小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」の販売拡大を目指す。

ACSLは併せて、米国のACSL, Inc.に対し、60万ドル(約8400万円)の追加出資を行うことを決めた。本MOU締結と追加出資を通じ、米国市場での当社製品の展開を本格化させ、米国における取り組みを加速させる。

世界のドローン市場は急速に成長し、2030年には5兆円規模の市場が台頭する見通し。経済安全保障や環境配慮に関する政策も加速しており、米国ではNational Defense Authorization Act(NDAA)が施行され、ロシア製や中国製のドローンの政府調達が禁止されているほか、中国製ドローンメーカーのDJIは2022年10月より米国国防総省の「中国軍事関連企業」に指定されている。

こうした市場環境の中で、ACSLは経済安全保障、企業向け対応と用途特化型をキーワードとしたポジショニング形成が可能とみている。


世界のドローン市場規模(「Drone Industry Insights 」よりACSL作成)

ACSLの米国市場進出は、現地の展示会でインフラ企業などから小型空撮ドローン(SOTEN)が、点検・測量などで活用できると高評価を得ているほか、複数の顧客先でのロードショーでも業務実装が可能という評価とともに、購入希望を確認しているという。

ACSLは今年1月にカリフォルニア州で米国子会社ACSL, Inc.を設立。米国の潜在顧客との緊密な連携を通じて、小型空撮ドローン(SOTEN)の改良を進めてきた。

GenPacは、米国市場における無人航空機とロボティクス業界をリードするディストリビューター。ドローンやロボットといったハードウェアに加え、ソフトウェアや様々な専門家レベルのトレーニングの提供を担っている。

これまで多くのエンドユーザーとパートナーシップを組み、顧客からの様々な要望に応えるためのハードウェアやソフトウェア、トレーニングを提供してきた。22年9月の「COMMERCIAL UAV EXPO」でACSLが出展した際、SOTEN(蒼天)に興味を持ったという。

ACSLグループは、今後の米国市場で販売を拡大するため、ACSL, Inc.とGenPacの間で、戦略的代理店パートナーシップに関するMOUを締結し、今期は米国市場で50機体の販売を目指す。


GenPacの経営陣およびACSLグループの経営陣


22年に実施したGenPacでのSOTENデモンストレーションの様子(いずれもACSL提供)

(藤原秀行)

テクノロジー/製品カテゴリの最新記事