海上輸送の脱炭素推進へ、実航海で効果検証
日本郵船は7月24日、ベルギーのNYK Bulkship(Atlantic)(エヌワイケイ・バルクシップ・アトランティック、NBアトランティック)が、保有するばら積み船にグループとして初めて風力推進アシスト装置を導入したと発表した。
米穀物取引大手Cargill(カーギル)傘下でスイスのCargill International(カーギル・インターナショナル)との長期定期傭船契約に投入する。
NBアトランティックは保有するばら積み船にオランダのEconowind(エコノウィンド)製風力推進アシスト装置「VentoFoil」(ヴェントフォイル)を搭載。航行中に排出する温室効果ガスの削減を図る。
NBアトランティックは航海中の気象・海象や同装置が生み出すスラスト(推進)力などのデータを収集し、カーギル・インターナショナルと共同で効果を計測する。
VentoFoilは全長20ft(約6m)のフラットラック(一部の壁や天井がないコンテナ)を土台に、船上に約16mの翼を立ち上げ、帆の役割を果たす装置。飛行機の翼と同じように、翼の両面の気圧差で推進力を生み出す。
翼に開けられた吸い込み口から風を取り込み、気圧差を増幅させてより強い推進力を得る仕組み。同種の装置としては小型なため、荷役の邪魔になりにくく、搭載や移設が容易なのがメリット。
「VentoFoil」のイメージ(格納時)
本船搭載時のイメージ(いずれも日本郵船提供)
(藤原秀行)