食糧問題解決などへの貢献に期待
商船三井グループのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)、MOL PLUSは8月7日、閉鎖循環式陸上養殖システムの設計・開発・製造などを手掛けるスタートアップのARK(アーク、東京都渋谷区広尾)への出資を決定したと発表した。具体的な出資額は開示していない。
ARKは「養殖の民主化」をミッションに掲げ、「どこでも誰でも水産養殖ができる仕組み」を提供することで、サステナブルな食の供給、海洋・環境負荷低減、生産・物流危機回避の3つの課題解決を目指している。
MOL PLUSは、ARKの取り組みが環境負荷の低い、持続可能な養殖業を実現し、食糧問題の解決・環境負荷低減というESG課題の解決に大きく寄与すると期待、資金調達に参加することを決めた。MOL PLUSは、小型・分散型陸上養殖のグローバル社会実装や、MOLグループのアセット活用(船上・港湾・その他不動産)推進に関し、海運業の立場から貢献できると見込む。
閉鎖循環式陸上養殖システムは小型・分散型のCRAS(Closed Recirculating Aquaculture System)を活用。車1台分の駐車スペースがあれば設置・稼働することができるのが特徴。既存の大規模養殖システムとは異なり、小規模な投資と運用で分散型の水産養殖を始められる上、再生可能エネルギーを活用することでオフグリッド(電力の自給自足)による稼働が可能になる。同時に、エネルギーコストと環境負荷の大幅な削減も見込める。
ARKはハードウェアに加えて、養殖事業に必要となるリモート管理アプリケーション、資材や種苗の提供サービスも進める予定。
閉鎖循環式陸上養殖システム(いずれもMOL PLUS提供)
<出資先概要>
会社名 |
株式会社ARK |
代表者 |
代表取締役 竹之下 航洋 |
設立 |
2020年 |
本社所在地 |
東京都渋谷区広尾1丁目7-20 |
事業内容 |
閉鎖循環式陸上養殖システムの設計・開発・製造および付帯サービスの開発と提供 |
ホームページ |
(藤原秀行)