米トラック輸送大手のイエロー、連邦破産法の適用申請し経営破綻

米トラック輸送大手のイエロー、連邦破産法の適用申請し経営破綻

競争激化で収益悪化、労組とも対立

米国のトラック輸送大手イエロー・コーポレーションは8月6日、日本の民事再生法に当たる連邦破産法11条(チャプタ―イレブン)の適用をデラウエア州連邦裁判所に申請したと発表した。

競争激化で多額の負債を抱え、トラックドライバーが多く加盟している労働組合の全米トラック運転手組合「International Brotherhood of Teamsters(通称・チームスターズ)」との対立も深刻化、経営が行き詰った。

イエローは1924年創業。従業員は約3万人を抱え、小売り大手のウォルマートなどを顧客に抱える。低価格を打ち出し、混載輸送を得意とする。

2022年12月期の連結売上高は52億ドル(約6800億円)に上るが、競争激化などで近年は収益が悪化していた。複数の米メディアの報道によれば、イエローは債務が10億ドル(約1300億円)以上に膨らんでいるという。

7月31日に事業を停止、破産申請の準備に入っていた。

イエローのダレン・ホーキンスCEO(最高経営責任者)は8月6日、「約100年にわたって営業を続けてきた末に(経営破綻を)発表したことは非常に残念だ」との声明を発表。従業員約3万人の雇用が失われる可能性に言及し、鋭く対立してきたチームスターズを強く非難した。


イエローのトラック(同社提供)

(藤原秀行)

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