ダイフク、中国と韓国で半導体生産ライン向け保管・搬送システムの2工場が9月稼働へ

ダイフク、中国と韓国で半導体生産ライン向け保管・搬送システムの2工場が9月稼働へ

能力高めグローバルサプライチェーン強化

ダイフクは8月8日にオンラインで開催した2024年3月期第1四半期(4~6月)決算説明会で、中軸の半導体生産ライン向け保管・搬送システムの2工場が中国と韓国で今年9月に稼働を始めることを明らかにした。

中国は半導体関連のシステム需要が好調なのに対応。将来の市場拡大をにらみ、新たな工場を江蘇省蘇州で建設している。敷地面積は3万1000㎡で、約40億円を投じている。ショールームも併設するという。

一方、韓国は忠清南道牙山市で、建屋や設備の老朽化、事務所や工場の面積拡張のため、約27億円を使って敷地内で建て替えを進めている。敷地面積は3万2700㎡。

下代博社長は「今後、当社のマザー工場の滋賀事業所に加えて、台湾、中国、韓国の計4拠点体制で生産能力を増強し、グローバルでのサプライチェーンを強化するとともに、お客様のニーズにお応えしてまいりたい」と狙いを説明した。


中国(左)と韓国の工場完成イメージ(ダイフク決算説明資料より引用)

ダイフクが同日開示した決算によると、第1四半期のトータルの受注高は中国で前年同期比19.7%増の286億円だった一方、韓国は68.8%減の77億円、台湾は95.5%減の13億円にとどまった。半導体生産ライン向けシステムの落ち込みが影響している。

下代社長は、受注の落ち込みは想定内と解説した上で、中国に関しては半導体関連需要が旺盛な一方、台湾と韓国は現状、厳しい状況にあると指摘。同時に、台湾と韓国は今後、需要が回復してくるとの見通しを示し、韓国の半導体生産ライン向けシステム工場の建て替えについても、需要回復を見越して進めていることを明らかにした。

また、新型コロナウイルス感染拡大による物流の世界的な混乱の影響で積み増した部品類の在庫圧縮に動いていることについて、着実に進めていると説明した上で、本格的に圧縮が進行するのは24年3月期の下期(23年10月以降)になるとの見通しを示した。

(藤原秀行)

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