国交省集計で8年連続過去最高、伸びは鈍化
国土交通省は8月25日、2022年度の宅配便事業者による取扱実績を公表した。
主要な22のサービスブランド全体の取扱個数は前年度比1.1%増の50億588万個だった。新型コロナウイルスの感染拡大を契機としてEC市場が伸び続けており、8年連続で過去最高を更新。初めて50億個の大台に到達した。
ただ、伸び率自体は20年度の11.9%、21年度の2.4%から鈍化しており、コロナ禍によるECの急激な広がりが落ち着いてきたことがうかがえた。
宅配便の大半を占めるトラック運送分は22年度が0.9%増の49億2508万個だった。
各社のトラック運送分取扱実績の内訳を見ると、最大手のヤマト運輸は2.8%増の23億3971万個で3年続けて前年実績を上回った。シェアは20年度から0.9ポイント上昇し47.5%と好調を持続している。
2位の佐川急便は0.7%減の13億5990万個で、シェアは0.4ポイント低下し27.6%だった。21年度に続き、採算を重視してBtoBの物流効率化支援などに注力していることを反映したとみられる。
3位の日本郵便は0.8%減の9億8031万個で、シェアは0.3ポイント下落し19.9%。20年度に10億個の大台を突破したが、その後は減少している。
上位3社合計のシェアは21年度から0.2ポイント上がって95.0%だった。
メール便は主要な10のサービスブランド合計で5.9%減の40億3223万冊となり、5年ぶりに前年実績を上回った21年度から再び減少に転じた。
ヤマトと日本郵便は今年6月、ヤマトのクロネコDM便のサービスを2024年1月31日に終了し、日本郵便のゆうメールを活用した新サービス「クロネコゆうメール(仮称)」としてヤマト運輸で取り扱いを開始するほか、ヤマトが取り扱っている、ポストに入る小型の荷物を扱う「ネコポス」のサービス提供を今年10月から順次終了し、日本郵便のゆうパケットを活用した新サービス「クロネコゆうパケット(仮称)」として取り扱うことを発表した。今後、全体の取り扱い数にどのような影響が出るかが注目される。
(藤原秀行)