岸田首相、ガソリンや軽油など高騰対策で石油元売り向け補助金延長を表明

岸田首相、ガソリンや軽油など高騰対策で石油元売り向け補助金延長を表明

12月末まで、価格抑制目指す

岸田文雄首相は8月30日、首相官邸で記者会見し、高騰が続くガソリンや軽油などの価格を抑えるため、激変緩和措置として石油元売りを対象とした補助金を期限の9月末以降も継続する方針を表明した。12月末まで3カ月間延長する。

資源エネルギー庁によると、8月28日時点で店頭現金小売価格はレギュラーガソリンが1リットル当たり185.6円と過去最高だった2008年8月(185.1円)の水準を突破し、軽油も165.1円と15週連続で値上がりした。物流業界などの経営を圧迫していることなどから、与党が対策を強く求めていた。

補助金の支給額を9月7日以降、段階的に拡充し、レギュラーガソリンに関して10月中に販売価格を全国平均で1リットル当たり175円程度まで下げられるよう取り組む。

岸田首相は、ガソリンや軽油に加え、冬季の暖房などに不可欠な灯油、農業・漁業などで使っている重油についても、引き続き激変緩和措置の対象にすると明言。「まずは今回の措置を年末まで講ずることとし、国際的なエネルギー価格の動向なども注視しながら、必要な対応を機動的に考えていきたい」と語った。

同じく9月末で期限を迎える電気や都市ガス料金の負担軽減策についても、物価高を受けた追加の経済対策を取りまとめるまで継続する姿勢を強調した。

ガソリン補助金に関しては、需給で価格が決まる市場原理に悪影響を及ぼすことや、世界的な潮流の脱炭素化に逆行すること、国の財政状況悪化につながることなどを危惧、批判する声が経済界に加えて政府内からも出ている。

岸田首相は「今後の経済対策の議論とか、予算の議論などにおいて、大きな流れについても考えていく。こうしたことによって、しっかり両立を図っていくことが大事ではないか」と語った。


会見する岸田首相(首相官邸ホームページより引用)

(藤原秀行)

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