政投銀、船舶航行最適化で温室効果ガス排出削減システムの開発目指すコンソーシアムへ参加

政投銀、船舶航行最適化で温室効果ガス排出削減システムの開発目指すコンソーシアムへ参加

金融機関初、海運業界の脱炭素後押し

日本政策投資銀行(DBJ)は8月31日、デジタル技術を活用し、同じ方向に向かう複数の船舶が目的地へ最適な時間に到着できるよう支援し、温室効果ガス排出抑制を図るシステム「Blue Visby Solution(ブルー・ヴィスビー・ソリューション)」の開発を目指すコンソーシアム「Blue Visby Consortium」に加盟したと発表した。

コンソーシアムは、船舶の設計・運航支援システムを提供するフィンランドのNAPAと英国の国際弁護士事務所Stephenson Harwood(スティーブンソン・ハーウッド)が共同で運営。日本海事協会、商船三井、丸紅など世界各地から27の機関が加盟し、システム開発に向けて活動している。

DBJは金融機関として初めてコンソーシアムに参加した。ファイナンスに関するノウハウの提供・助言を通じてシステム開発を支援する予定。

システムは船舶の性能や海象、港湾の混雑状況といったデータを統合し、同じ港を目指す船舶群の到着時間を最適化・分散することで、船舶から出る温室効果ガスの削減を目指す。

海運業界は速く航海して目的地近くで沖待ちをする船舶の運航方法「Sail Fast Then Wait」が慣習となっており、結果的に不必要な温室効果ガスを生み出している。コンソーシアムが検証したところ、システムの利用を通じて排出量を16%減らせる見込みで、海運業界の脱炭素化を果たす上で有効な手段の1つになると関係者の間で期待が高まっている。


システムで同じ港を目指す船舶群の到着時間を最適化・分散するイメージ(コンソーシアム提供)


サービスを通じ、各船舶の位置情報を表示、最適な到着時間を提供する(コンソーシアム提供)

(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用

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