テラドローンのベルギー子会社Unifly、空飛ぶクルマ活用し欧州空域の都市移動促進目指すプロジェクトに参加

テラドローンのベルギー子会社Unifly、空飛ぶクルマ活用し欧州空域の都市移動促進目指すプロジェクトに参加

スペイン離島間でVTOLドローンによる貨物輸送の実証実験へ

Terra Drone(テラドローン)は2月27日、子会社でベルギーに本社を置き、運航管理システム(UTM)を提供するUnifly(ユニフライ)が、新世代の航空交通管理システム開発を目的とした欧州の航空管制近代化プログラム「SESAR」の共同事業体(JU)が進める総額1200万ユーロ(約19億円)のEUREKAプロジェクトに参加すると発表した。


イメージ図(テラドローン提供)

SESARのJUはEC(欧州委員会)とEUROCONTROL(欧州航空航法安全機構)が創立。機関や企業が参加し、マスタープランの実行と管理を実施。特にR&D実行プログラムと長期イノベーション研究の実行をリードしている。

プロジェクトは欧州空域内に設置される空飛ぶクルマ(垂直離着陸機、VTOL)専用の離着陸設備「バーティポート」のネットワークを構築し、情報をUTMに組み込むことで次世代エアモビリティを生かして都市間をつなぎ、2026年までに効率的で持続可能な輸送の実現を目指している。

具体的には、飛行経路や計画を考慮したバーティポートの発着手順、UTMとの連携を通したバーティポートの運用管理(飛行計画や運航状況を基に交通量を最適化する)、バーティポートの緊急事態に備えた危機管理、バーティポートネットワークの運用管理(設置されたバーティポート同士の効率的な運用実現)の4点を研究しており、ユニフライもこれまでのUTM運営で培ってきた経験や知識を生かして、目的の達成を後押しする。

プロジェクトには航空管制サービスプロバイダーやU-Space(次世代エアモビリティ実装のための規制の枠組みまで含めた運航管理に関する概念)サービスプロバイダー(USSP)、空飛ぶクルマメーカーなど35の企業・団体が参画している。

ユニフライはスペインの航空管制サービスプロバイダーENAIREや空飛ぶクルマを開発するドイツのVolocopterなどのパートナーと協力し、バーティポートのネットワーク情報をUTMに組み込む「バーティポート統合運航管理システム(VCTM)」のための研究・開発を担当する。

2024年12月から2025年3月まで、スペイン・マヨルカ島(パルマ・デ・マヨルカ空港)~メノルカ島(メノルカ空港)間の管理空域でVTOLドローンを使用した実証実験を行う予定。VTOLドローンによる貨物輸送を行い、様々なレベルでVCTMの可能性を検証する。

(藤原秀行)

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