26年の幹線輸送サービス提供開始へ実用化加速図る
トラックの自動運転技術開発を手掛けるT2は9月1日、新たに三井住友信託銀行やKDDI、三井住友海上火災保険など9社を引き受け先として第三者割当増資を実施、シリーズA(会社創生期)ラウンドとして総額35億円の資金を調達したと発表した。
引き受け先はこのほか、宇佐美鉱油、東邦アセチレン、三井倉庫ロジスティクス、JA三井リース、紀陽フィナンシャルグループの紀陽キャピタルマネジメント、大和物流。
T2は三井物産とAI開発を手掛けるベンチャーのPreferred Networks(プリファードネットワークス)が2022年、合弁で設立。特定の条件下でドライバーがいない「レベル4」の自動運転技術確立に向け、高速道路上で走行試験を重ねており、今年4月には高速道路上で自動運転トラックの自律走行に成功した。
26年の自動幹線輸送サービス提供開始を目標に置いており、将来は自動運転トラックを運用した物流事業者となることを念頭に置いている。
今年6月には自動運転トラックと高速道路ICに直結する基幹物流施設を組み合わせた無人輸送ネットワークの実現に向け、三菱地所と資本・業務提携を発表。これまでの累計資金調達額は47.5億円に達した。
T2は今回の資金調達により、自動幹線輸送サービスの開発を加速させたい考え。出資に伴い、各社は自らの事業領域で車両の整備や通信機能拡充、物流オペレーションの検討、損害保険商品の開発などの面で協力する。
東京都内で同日、記者会見したT2の下村正樹CEO(最高経営責任者)は「多様な業界の方々と一丸となって物流インフラを構築していく。日本の物流の未来を支えたい」と強調した。
会見した各社代表ら。前段中央が下村CEO
各社の役割
(川本真希、藤原秀行)